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映画『それでもボクはやってない』は必見 [メディア・出版・アート]

話題の映画『それでもボクはやってない』を観た.実に恐い映画だ.ごく普通に日常を送っていた若者が,ある日突然,警察,検察,それに裁判所の三位一体の無能さゆえ,一瞬にして「犯罪者」とされ,地獄に突き落とされる.ドラマゆえの誇張などではなく,これが現実なのだろう.このような連中に,システムに,共謀罪のような凶器を与えたら一体どういうことになるだろうか.

警察を取り締まるような上位の権力はなく(あるいは取り締まるのが身内),警察は社会の完全な超越的存在だから,恐い.これをチェックするシステムの構築が不可欠だ.また,最後の砦であるはずの裁判所と裁判官の独立性の欠如は決定的だ.

絶望的になるが,解決のヒントの一つは,数年前の記録映画『日独裁判官物語』の中にあると思う.劇場公開されていないが,このさい是非とも併映するなど,映画業界の方には考えてもらいたい.

ドイツの判事は,日本に比べれば格段に国家権力(行政権力)からの独立性を持っており,例えば,判事が,核兵器反対運動でデモや座り込みをするくらいである(ムートランゲン事件*).市民の自由権として,また法律家の良心から,法をupholdする義務を体を張って果たす判事たちがいたのだ.

わが国では「逮捕」ということがどれほど恐ろしいものかがよく分かる.このブログで宣伝している「ファスレーン365」では,「逮捕覚悟での」座り込み,基地封鎖の行動への参加を募っているわけだが,多くの人が二の足を踏むのも当然だろう.逆に,スコットランドでの状況がいかに特殊で,珍しい事態かもよく分かる.すでに500人以上逮捕されているが,すべて一泊だけで翌日に釈放されており,起訴されているのは21人に過ぎない.

映画といえば,このブログでも紹介した「となり町戦争」映画化され,上映が始まっている.地元の作家でもあり,是非とも,しかも早めに,見に行きたいものだ.

______________________
* ムートランゲン事件については,ネット上に次の資料があります.
1) トライデント・プラウシェアズ・ハンドブックから
http://ad9.org/pegasus/peace/tp2000/handbook/tdihb1-2.html

1987年1月12日、西ドイツでは22人の裁判官がパーシング・ミサイルの配備に抗議して、ムートランゲン(Mutlangen)の米軍基地を封鎖した。彼らは行動に出る前に仲間の裁判官に出した声明で、自分達には増えつづける核兵器を前にして声を上げるべき特別の責任があるのだと説明した。

2) 裁判官の市民的自由(公務員の市民的自由)
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hinoki/1394/report2.htm

87年には、「ムートランゲン事件」というのが、起こりました。これは、日本の裁判所で、こんなことが起こったら大変ですけれども。どんなことかと、いいますと。アメリカの軍事ミサイル基地の前で、「軍事ミサイルというのは間違っている」というので20名の裁判官が、座り込みをしました。これに対しては、業務妨害という形だったんだろうと思いますけれども、検挙されました。「これが正しいかどうか」ということで、争われたんですけれども。「検挙された」ということの前に、「座り込みくらいでも平気でやる」というのがドイツの裁判官です。その後で、検挙に反対して554名の裁判官が、「この検挙は間違っている」と、「軍事基地に座り込んだ裁判官の行動を支持する」ということで、また、署名で発表する。そういう雰囲気の違いみたいなのがある。


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コメント 2

タウム

TBさせていただきました。

映画では語れなかったこと、裁判だけではなく事件や事故の捜査や取調べのやり方なんかにまで、監督は疑問を元検事の弁護士にぶつけていて、裁判とか捜査とかほんとに変えなければならないなと痛感しました。
by タウム (2007-11-15 18:08) 

yamamoto

本も出ていたのですね.機会があれば読んでみたいと思います(いろいろ読まなければいけないのが多いので・・・.)
TBありがとうございました.逆の,fc2へはなぜか通らないようです.
by yamamoto (2007-11-15 21:16) 

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