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映画2題,「レオン」と「風に立つライオン」 [メディア・出版・アート]

TheProfessional-Still1.jpgもう一週間前になるが,テレビを点けたら「レオン」という映画をやっていた(BS朝日,5月2日夜9時).リュック・ベッソン監督の1994年の作品.少女役はナタリー・ポートマン,殺し屋はジャン・レノと,超一流ぞろい.
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途中からだが,ついつい最後まで見てしまった.家族を殺された少女の,殺し屋を「使って」の復讐劇である.バイオレントなシーンがこれでもかこれでもかと繰り返される.なぜ監督はこんな暴力的な映画を作ったのか,なぜ観客はそれに堪えなければならないのか.おそらく,世界の現実はこれだと言いたかったのだと思う.少女の「仇」は警察官.捜査もいい加減で,法の裁きに期待することが出来ない.恨みをはらすには復讐しかない.

実は現実に全く同じことが大規模に繰り返されている.日常的に繰り返されるアメリカのドローンによる攻撃では,民間人も多数犠牲になっている*.犠牲者の家族は,この殺人行為に対して「法の裁き」を期待できるだろうか?はるか地球の裏側でドローンを操る「兵士」が,あるいはその上官が,訴追されたことがあるだろうか?おそらく皆無だろう.犠牲者がその恨みを晴らそうとすれば,その一つとしては,絶望的な「自爆テロ」と呼ばれる手段に走ることになるだろう.そして「自爆テロ」などの事件が起きれば,またアメリカに「対テロ戦争」の材料・口実が追加される.

リュック・ベッソン監督はおそらく,このような暴力的な,無法な世界に,私たちは住んでいるのだ,と言いたかったのだろう.

dip.jpg今日,“DEFENSE INNOVATION”というタイトルの研究会への参加勧誘のメールが届いているのに気付いた.以前にも同じようなものが来ていたのかどうか分からないが,軍事技術に関する研究会である.右のページの内容がそのままメールに貼付けられていた(画像をクリック).そこには,“America's Largest Seed-Fund”といううたい文句で,25億ドルの「真水の」(un-diluted)資金援助がある,この機会を逃すな,とある.ドローン攻撃のような「ハイテク」戦争は,このような資金に群がる研究者によって可能になり,また彼らを潤していることを思い知らされる.

ちなみに,後ろに並ぶスポンサーのロゴマークには,日本企業では日立とNECがあった.
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もうひとつ,これは映画館で見たのだが,「風に立つライオン」.フェイスブックである方が賞賛されているので,それでは見てみようか,ということで.(原作は読んでいない.)

長崎の離島の,言わば僻地医療の描写と,アフリカの極限的な医療のそれとを組み合わせ,なかなか立体的な作りになっていてよかったと思う.長崎のエキストラの素人そのままの演技がまたいい味を出していた.

ただ,今ひとつ満足度が高くなく,もの足りなさを感じた.その理由を考えてみると,やはり観客への問題提起という点にあるのかと思う.やはり何か今日的な,そして医療関係者に限らない,もっと一般的な問題提起があればもっと骨太なものになったはずだ.

たとえば,アフリカのシーンでは戦争を扱っているが,そうなると戦争に対する眼差しというものも,なにがしかのウェイトが与えられるべきだったはずだ.もちろん戦争がテーマの映画ではないので,そのための多くのシーンや描写を求めるわけではないが,なにかそのような視界への窓がいくつか開けられていてもよかった.戦争という方角でなくても,たとえば日本の対外支援のありかたの問題,という方角でもいいかも知れない.

しかしこのような「窓」をこの映画にはめ込もうとすると,それがどの方向に開けられているかなど,どうしても政治的な問題に絡まざるを得ないだろう.それを避けてしまったのではないか,と,そんな印象を持った.
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* もちろん「戦闘員」の殺害なら正当,というわけではない.宣戦布告なき他国領土での殺人行為は,単なる殺人行為である.
また,殺人には至ってないが,沖縄・辺野古では,法の執行者であるべき海保が,違法な暴力行為に走っている.
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