So-net無料ブログ作成

玄海原発審査書案へのパブリックコメント [仕事とその周辺]

土壇場になって3本出しました.多分24時まで受け付けられると思います.17時を過ぎてもOKでした.
提出順とは異なりますが,以下に転載します.
必要なリンクなどは「さよなら原発・佐賀連絡所」をご覧下さい.
また,「福岡核問題研」メンバーによる提出意見はこちらをごらん下さい.(私はこれらと相補的な問題に絞りました.)応援のクリック歓迎
-----

受付番号 201612090000384057
提出日時 2016年12月09日15時59分
提出意見
原発事故時の住民避難等について.
(審査書案で見逃されていることを述べる.したがって該当ページはない.)
原子力規制委員会設置法第1条には,委員会の目的として「原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し、又は実施する」ことを求め,究極的に「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全」を掲げている.したがって原子力発電所のような国民の生命・財産に重大な影響を及ぼす可能性のある施設の可否については,単に原子炉等規制法や設置許可基準規則のみで判断するのではなく,上記の委員会の目的に照らして総合的に判断すべきである.そのような観点からすれば,審査書案には重大な不完全さがある.

その一つに,重大事故時の住民避難の問題がある.これについては審査の対象外になっているが,IAEAの深層防護の第5層として,原子力施設周辺における放射線影響緩和が求められており,原発の稼働にとって不可欠の条件である.これが自治体に「丸投げ」されている.

原発事故時の住民避難等の法制は,災害対策基本法第4条を受けて原子力災害対策特別措置法の第5条が,原発事故の避難計画,実施を自治体の「責務」としていることにある.しかし原子力災害への対応は,その規模,重大さの程度によっては自治体の能力を超えることは福島原発事故で明らかとなった.そもそも根拠法である災害対策基本法は我が国の商用原発が始まる前に制定されたものであり,したがってその対象は自然災害を主としたもの思われる.自然災害とは全く異質の「災害」に対して,一自治体がその対策の責めを負うことに無理があるのは当然である.

このことだけを見ても避難対策が不完全であることは明らかであり,したがってこのような状況で原発の稼働を認めることは誤りである.

-----
受付番号 201612090000384068
提出日時 2016年12月09日17時08分
提出意見
(審査書案で見逃されていることを述べる.したがって該当ページはない.)
通常運転時の健康被害
原子力規制委員会設置法第1条には,委員会の目的として「原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し,又は実施する」ことを求め,究極的に「国民の生命,健康及び財産の保護,環境の保全」を掲げている.したがって本件についても単に原子炉等規制法や設置許可基準規則のみで判断するのではなく,上記の委員会の目的に照らして総合的に判断すべきである.そのような観点からすれば,審査書案には重大な不完全さがある.

重大事故が防止できない可能性についてはすでに多くの人が警告しているが,玄海3,4号機が稼働を再開すれば,通常運転においても原発周辺では健康被害が生じる恐れが大きい.森永徹氏の研究によれば,玄海原発周辺では,同原発の稼働によって住民の白血病死亡率が高くなったことが明らかにされた[注1].

原因としては,森永氏は通常運転時に原発から環境に放出されるトリチウムが疑われると述べている.実際,玄海原発は過去の稼働時の2002年から2012年に826テラベクレルと,我が国の原発では最も多量のトリチウムを放出しており,これは福島原発事故で発生した汚染水中のトリチウムの量とほぼ等しい.

トリチウムの危険性については,ベータ線のエネルギーが小さいためベクレル当たりの吸収線量は小さい.しかし生体に容易に取り込まれ,水素として生化学的にも重要な元素であるため,特別なリスクがあることをECRR(欧州放射線リスク委員会)の2010年勧告が指摘している.すなわち「核変換と局所線量:水素結合と酵素増幅」による強調効果である[注2].

したがって,トリチウムの周辺住民への健康影響の危険性が完全に払拭されない限り,玄海原発の稼働を許可すべきではない.

ちなみに,ECRRに関しては,原子力規制委員会設置法制定時の参議院環境委員会の付帯決議14項で,「放射線の健康影響に関する国際基準については,ICRP(国際放射線防護委員会)に加え,ECRR(欧州放射線リスク委員会)の基準についても十分検証し,これを施策に活かすこと」を求めている.

冒頭に引用した原子力規制委員会設置法第1条にあるように,委員会は「安全の確保」に責任を持たなければならない.伝えられるところでは,田中俊一規制委員会委員長は「基準の適合性は見ていますけれども,安全だということは私は申し上げません」と発言したとのことであるが,これは設置法に照らせば全く不当なものである.通常運転時であれ,重大事故の際であれ,安全だと言えないのであれば「合格」を出すべきではない.

[注1] 森永徹,「玄海原発と白血病の関連の検討」,社会医学研究,第56回日本社会医学会総会講演集(2015)p.94.ネット上では例えば次を参照されたい.
https://dl.dropboxusercontent.com/u/86331141/Shiryo/201511Morinaga1.pdf
→2017年6月追記:リンク切れのため,こちらを参照下さい.
http://ad9.org/pdfs/nonukessaga/y2017/leukaemia-genkai.pdf

[注2] 放射線被ばくによる健康影響とリスク評価 ― 欧州放射線リスク委員会2010年勧告,明石書店(2011),p.94.

——
受付番号 201612090000384029
提出日時 2016年12月09日13時35分
提出意見
(405ページからのIV-5について)
航空機落下による核災害の危険
九州電力は,2014年3月6日の文書「大規模損壊時の対処にかかる体制及び手順書体系について(原子炉格納容器の破損の 緩和や放射性物質の放出低減等)」[注1]において,「故意による大型航空機の衝突その他のテロリズム等により発電用原子炉施設に大規模な損壊が発生することを想定」と,破損の可能性を認めている.かつそれは「プラントが受ける被害の範囲は不確定性が大き」いものであることも認めている.しかも,審査書案に引用された九電の文書では「中央制御室等が機能喪失する場合も想定」するとある(408頁).

玄海3,4号機は格納容器がむき出しの構造であり,このような上空からの落下物に特に脆弱であると思われる.

しかし規制委員会がこの問題で審査した対象は,そのような事態に対処するための,手順書,体制,設備及び資機材の整備のみであり(405頁),このような衝突に対する格納容器の耐性等についての記述すら審査書案には見られない.

このような審査では,このような事態に対する安全性は,いかなる程度においても確認されているとは言えない.

[注1] https://www.nsr.go.jp/data/000035448.pdf
-----
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0