事故発生直後から現在までのテレビ録画も保全を [メディア・出版・アート]
テレビ録画による証拠保全活動の補足です.
事故発生直後から現在までも,すでに多くの方が報道番組などを録画しておられると思われます.それらの録画の保存・保全もお願いします.複数のDVDにコピーして保管していただくようお願いします.また,このことを多くの方に広めていただくようお願いします.今日あたり,初動時の「識者コメント」の問題が指摘されています.
私自身は,事故翌日のあるチャンネルを連続して10時間ほど録画しています.
なお,この活動は「非組織的」活動で,提案者の私に参加を知らせていただければ有り難いですが,それが必要というわけではありません.大量の証拠ビデオを全国の市民が分散保管することで,「証拠隠滅」(除染??)を不可能にしよう,という作戦です.
応援のクリック歓迎
もちろん,どなたかこれを組織化し,将来だけでなく今の報道の是正に役立てようという方が現れれば,もちろん大歓迎です.
事故発生直後から現在までも,すでに多くの方が報道番組などを録画しておられると思われます.それらの録画の保存・保全もお願いします.複数のDVDにコピーして保管していただくようお願いします.また,このことを多くの方に広めていただくようお願いします.今日あたり,初動時の「識者コメント」の問題が指摘されています.
私自身は,事故翌日のあるチャンネルを連続して10時間ほど録画しています.
なお,この活動は「非組織的」活動で,提案者の私に参加を知らせていただければ有り難いですが,それが必要というわけではありません.大量の証拠ビデオを全国の市民が分散保管することで,「証拠隠滅」(除染??)を不可能にしよう,という作戦です.
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もちろん,どなたかこれを組織化し,将来だけでなく今の報道の是正に役立てようという方が現れれば,もちろん大歓迎です.
放送での虚偽発言の証拠収集の提案 --録画ゲリラ作戦-- [メディア・出版・アート]
NHKは別として,自分がお金を負担していないテレビというメディアは街角のフリーペーパーと同じだ,ということに気付かない視聴者が多すぎるようです.現在,福島の原発災害をめぐって,放射線の影響についての「専門家」のトンデモ発言が,なんら咎められることなく垂れ流されています.
このような状況は全く好ましくないので,この証拠を記録し,将来責任を取ってもらうための活動を提案します.
家庭用のHDレコーダーは大変スマートで,非常に圧縮した録画が可能です.6時間以上を1枚のDVDに収まるように出来ます.またメールで録画を指令することさえできます.
組織化の必要のない,参加者の自発性だけで可能な「録画ゲリラ作戦」を提案します.将来「発掘」の必要が生じたときに,何らかの組織的方法で回収するのです.
要項
期間: この先1ヶ月程度
対象: NHKとすべての民放地上波の報道番組,ワイドショー番組
分担曜日:今年の自分の誕生日の曜日を毎週録画する
分担チャンネル:生まれた日を6で割った余りで次のように分担
0(割り切れる) NHK
1 テレビ朝日
2 TBS
3 日本テレビ
4 フジテレビ
5 テレビ東京
参加者が多ければ,統計的にほぼもれなくカバー出来ると思います.いかがでしょうか?もっといいアイデア,分担方法があればご提案を.
ーーーーーーーーー
追加:少し古い機器をお持ちの方のために,次のような参加のオプションも加えます.1日を時間帯で分割します.
年齢÷4 が
余り0 6時−12時
余り1 12時ー18時
余り2 18時ー21時
余り3 21時ー25時(24時ではなく)
夜の時間帯はさらに細分しています.これだと,それぞれ2時間以内と思われるので,多くの人が参加できると思います.いかがでしょうか?
センターを作るのが理想ですが,「提案者無責任」という案を考えてみました.応援のクリック歓迎
今日夕方のTV,九州全域で「虹のカヤック隊」を紹介 [メディア・出版・アート]
(高江blogより転載のメールを,さらに転載します.)
先日、上関の原発問題で祝島の自然とくらしを守りたいとスタディツアーを行っている若者3人が高江にきました。その時の様子をQAB(琉球朝日放送)が密着取材しています。
ぜひぜひ、ご覧ください!!そして、多くの人に広めてください!!
(昨日2月15日放送)
http://www.qab.co.jp/news/2011021525873.html
九州地方全域では今日(16日)放映されます。
番組名は九州ネット『スーパーJチャンネル九州・沖縄』
時間18:18〜18:28
そして、このような素晴らしい番組を制作してくださっているキャスター、番組スタッフへ、どうか全国から思い思いの感想や感謝と激励のメッセージFAXを送ってください!!ひとつひとつのアクションが積み重なって、高江のヘリパッド建設に歯止めをかけていく希望へと変わります!!
当ブログにも応援よろしく
QAB琉球朝日放送
本社
〒900-8510 沖縄県那覇市久茂地2-3-1
TEL:098-860-1199 / FAX:098-860-1831
東京支社
〒104-0061 東京都中央区銀座5-14-5
ダヴィンチ銀座EASTビル4階
TEL:03-3546-0956 / FAX:03-3546-0960
関西支社
〒530-0001 大阪市北区梅田1-8-17 大阪第一生命ビル10F
TEL:06-6440-8129 / FAX:06-6440-8139
福岡支社
〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神1-9-17
ダヴィンチ福岡天神ビル13階
TEL:092-712-5546 / FAX:092-712-5547
高江と上関のよくわかるオススメホームページ
高江最新情報 http://takae.ti-da.net/
祝島島民の会 http://blog.shimabito.net/
スナメリチャンネル http://www.youtube.com/user/hakunamatataTJ
虹のカヤック隊 http://ameblo.jp/nijinokayaker/
帰宅して録画を見ました.残念ながら時間にして半分程度に編集されており,SLAPP訴訟のことはカットされていました.下の画像をクリックして,琉球朝日放送のオリジナルを消えないうちに是非ご覧下さい.
先日、上関の原発問題で祝島の自然とくらしを守りたいとスタディツアーを行っている若者3人が高江にきました。その時の様子をQAB(琉球朝日放送)が密着取材しています。
ぜひぜひ、ご覧ください!!そして、多くの人に広めてください!!
(昨日2月15日放送)
http://www.qab.co.jp/news/2011021525873.html
九州地方全域では今日(16日)放映されます。
番組名は九州ネット『スーパーJチャンネル九州・沖縄』
時間18:18〜18:28
そして、このような素晴らしい番組を制作してくださっているキャスター、番組スタッフへ、どうか全国から思い思いの感想や感謝と激励のメッセージFAXを送ってください!!ひとつひとつのアクションが積み重なって、高江のヘリパッド建設に歯止めをかけていく希望へと変わります!!
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虹のカヤック隊 http://ameblo.jp/nijinokayaker/
「相撲スピン」 [メディア・出版・アート]
昨日来,相撲界の八百長疑惑がメディアを独占しているが,しかしこのメディア状態こそがいわゆる「スピン」*である可能性が強く,むしろこの疑惑こそがより重大だ.今朝7時のNHKテレビは冒頭のかなりの時間をこれに割き,昼のラジオも同様だった.高江の緊迫した状況は言うまでもなく,エジプトの民衆革命のニュースさえ後景に追いやられた.週刊誌が報じる枝野官房長官の「政治とカネ」疑惑はもちろん,そして国会の状況さえ霞む.
今回の「八百長疑惑」についての新聞の第一報[1,2]を見ると,情報源が警察のリークであることが分かる.つまりこのニュースの公表のタイミングを選んだのは権力機関である.何か重要なニュースを覆い隠すために使われた疑惑を持つべきである.「スピン」疑惑追及のクリックを
「スピン」をロングマン辞書で引くと,4番目の意味として,政治家や事業家が,特定の情報や状況について,大衆がそれをどのように受け取るかということに影響を与えるように,話し説明するやり方,とある.
PR(public relations,広報宣伝)の文脈で使われる「スピン」という言葉,そして"red herring",両方ともそれにぴったりの日本語が見あたらない.事物というものは,それに付けられた名前がないと「不可視」であり,これは事実上「存在しない」のと等価である.このようなメディア操作を「可視化」するためにも,これらのカタカナ英語をもっとポピュラーにしなければならない.
[1] 朝日の第一報
http://www.asahi.com/special/08020/TKY201102020148.html
[2] 毎日の第一報
http://mainichi.jp/select/today/news/20110202k0000m040184000c.html
[3] 英語版ウィキペディアの「PRにおけるスピン」の項
http://en.wikipedia.org/wiki/Spin_(public_relations)
因みに日本語版は次のアドレス
http://ja.wikipedia.org/wiki/スピン_(パブリック・リレーションズ)
*
(4日追記) むしろこれこそが「八百長」,つまり権力とメディアとの八百長相撲と言うべきか.
(6日追記)スポーツ紙が「八百長メール『民主リーク』説」と題して,スピン疑惑を述べています.なお,今日(6日)の夕方7時のNHKテレビは,なんと冒頭11分もこの相撲界の話題でマスクした.
今回の「八百長疑惑」についての新聞の第一報[1,2]を見ると,情報源が警察のリークであることが分かる.つまりこのニュースの公表のタイミングを選んだのは権力機関である.何か重要なニュースを覆い隠すために使われた疑惑を持つべきである.「スピン」疑惑追及のクリックを

「スピン」をロングマン辞書で引くと,4番目の意味として,政治家や事業家が,特定の情報や状況について,大衆がそれをどのように受け取るかということに影響を与えるように,話し説明するやり方,とある.
4 information [singular, uncountable]しかし,より重要なのは,今回のケースがそれと推測されるような,真に重要なニュースを隠すためのものだ.これは英語版ウィキペディアで最後(5番目)の例として挙げられている[3].拙訳と原文は次のとおり.
the way someone, especially a politician or business person, talks about information or a situation, especially in order to influence the way people think about it.
They tried to put a positive spin on the sales figures.
“悪いニュースを覆い隠す”:いくつかの不人気なことがらと一緒に,一つの世間受けする話を公表して,メディアが世間受けする話の方に集中するようし向けること.ニュースにおける"red herring"といったところだろうか.直訳は「薫製ニシン」だが,これを引きずって行くと,猟犬がこの臭いに騙されて,こればかりをたどり続け,真の獲物を逃す,という意味のようだ.
"Burying bad news": announcing one popular thing at the same time as several unpopular things, hoping that the media will focus on the popular one.
PR(public relations,広報宣伝)の文脈で使われる「スピン」という言葉,そして"red herring",両方ともそれにぴったりの日本語が見あたらない.事物というものは,それに付けられた名前がないと「不可視」であり,これは事実上「存在しない」のと等価である.このようなメディア操作を「可視化」するためにも,これらのカタカナ英語をもっとポピュラーにしなければならない.
[1] 朝日の第一報
http://www.asahi.com/special/08020/TKY201102020148.html
[2] 毎日の第一報
http://mainichi.jp/select/today/news/20110202k0000m040184000c.html
[3] 英語版ウィキペディアの「PRにおけるスピン」の項
http://en.wikipedia.org/wiki/Spin_(public_relations)
因みに日本語版は次のアドレス
http://ja.wikipedia.org/wiki/スピン_(パブリック・リレーションズ)
*
川上音二郎と堺利彦 [メディア・出版・アート]
BLOG BLUESさんのブログ記事で,社会主義者の草分け堺利彦の評伝「パンとペン」を知り,さっそく購入して,3分の1ほど読みました.幸徳秋水らとの「平民新聞」が発禁となったところまでで,これから,生計のために「売文社」という,今で言えばコピーライターのような事業を興す話に入ります.これが本のタイトルの意味であり,主題です.面白くなりそう.応援のクリック歓迎 
堺利彦は福岡県出身ですが,もう一人,福岡は博多出身の傑人,川上音二郎を主人公とする博多座の舞台が昨年末にありました.これはNHK福岡の放送で事後に知り,そのハイビジョン中継の再(?)放送があるというので,さっそく高画質録画し,4回ぐらいに分けて観ました.音二郎は自由民権思想を,今の言葉で言えば「ラップ」で全国に広めた人です.

印象に残ったシーンの一つですが,鋭い政府批判をする音二郎を伊藤博文が懐柔しようとして,ヨーロッパ旅行の費用を出そうと持ちかけます.これに対し音二郎は,カネは要らない,渡航許可だけでいい,と潔く答えます.そのシーンの台詞のやりとりでは,板垣退助の自由民権運動は,同様の懐柔策でやられたようで,板垣の場合はカネをもらったように描かれていました.史実はどうなのでしょうか.
いずれの主人公も,戦前の言論弾圧の中で逮捕も恐れずに(音二郎は180回以上とも)自らの思想と表現のために果敢に闘った人たちです.「パンとペン」は,買った本の奥付を見ると出版から2ヶ月で4刷でした.また博多座の舞台は地元の劇団の人たちが中心に作ったもので,NHK福岡は舞台中継だけでなくその制作過程も特集番組として放送しました.
現在,ポピュリズムや排外的ナショナリズムの横行という後退現象が目立ちますが,これら二人への人々の注目は,もう一方で,真に勇気ある人々を求める空気も社会の中に生まれているのではないか・・・そのような希望を持たせてくれます.
写真は,博多座の向かい側の川端通り商店街入り口にある音二郎の像です.ドラッグして保存し,開き直すと大きなサイズになります.

堺利彦は福岡県出身ですが,もう一人,福岡は博多出身の傑人,川上音二郎を主人公とする博多座の舞台が昨年末にありました.これはNHK福岡の放送で事後に知り,そのハイビジョン中継の再(?)放送があるというので,さっそく高画質録画し,4回ぐらいに分けて観ました.音二郎は自由民権思想を,今の言葉で言えば「ラップ」で全国に広めた人です.

印象に残ったシーンの一つですが,鋭い政府批判をする音二郎を伊藤博文が懐柔しようとして,ヨーロッパ旅行の費用を出そうと持ちかけます.これに対し音二郎は,カネは要らない,渡航許可だけでいい,と潔く答えます.そのシーンの台詞のやりとりでは,板垣退助の自由民権運動は,同様の懐柔策でやられたようで,板垣の場合はカネをもらったように描かれていました.史実はどうなのでしょうか.
いずれの主人公も,戦前の言論弾圧の中で逮捕も恐れずに(音二郎は180回以上とも)自らの思想と表現のために果敢に闘った人たちです.「パンとペン」は,買った本の奥付を見ると出版から2ヶ月で4刷でした.また博多座の舞台は地元の劇団の人たちが中心に作ったもので,NHK福岡は舞台中継だけでなくその制作過程も特集番組として放送しました.
現在,ポピュリズムや排外的ナショナリズムの横行という後退現象が目立ちますが,これら二人への人々の注目は,もう一方で,真に勇気ある人々を求める空気も社会の中に生まれているのではないか・・・そのような希望を持たせてくれます.
写真は,博多座の向かい側の川端通り商店街入り口にある音二郎の像です.ドラッグして保存し,開き直すと大きなサイズになります.
ゲイツ国防長官の「日本の指導に従う」との発言を報道しない日本メディア [メディア・出版・アート]
海外情報を翻訳するなど平和のためのニュースを届けておられる大分のさとうさん(→ウェブサイト)のメールで教えてもらった情報です.1月13日のゲイツ国防長官と前原外相,北澤防衛省との会談で,ゲイツ国防長官が普天間問題について「日本の指導に従う」と言ったことを日本のメディアは全く報道していないようです.カナダのピース・フィロソフィー・センターのブログ記事によると,該当部分はつぎのとおりです.
態度 口調」という出だしで,この「指導に従う」という発言を紹介しています.

follow someone's leadというのがどういう意味か,ニュアンスかを,ロングマン辞典で引いてみました.
メディアについて,「こんな報道があった」というのは指摘しやすいですが,「全くない」というのはとても困難です.やはり組織的なメディア・アーカイビングが必要ですね.→メディアウオッチ委員会の提案
「・・・政治的に日本の国内の事情が非常に複雑であるということをアメリカは理解しておりますので,日本側の指導に従って,それに関しての行動をとるということで,沖縄の方々の信条を十分理解して酌んでいきたいと思います.」そこの原文です.
"We do understand that it is politically a complex matter in Japan and we intend to follow the lead of the Japanese government in working with the people of Okinawa to take their interests and their concerns into account, and that obviously needs to happen. "これを報じるニューヨークタイムズも,そのリードで「驚くべき調停的
TOKYO — Striking a conciliatory tone on an issue that has divided Japan and the United States, Defense Secretary Robert M. Gates said Thursday that the Obama administration would follow Tokyo’s lead in working to relocate an American air base on Okinawa.応援のクリック歓迎

follow someone's leadというのがどういう意味か,ニュアンスかを,ロングマン辞典で引いてみました.
if someone follows someone else's lead, they do the same as the other person has done:これらの用例からも,「指導に従う」という訳に特に問題はないようです.米政府高官のこのような発言は当然メディアで話題になって当然ですが,大手メディアは取り上げたのでしょうか?もしまともに取り上げていないとしたら,原語の壁を悪用した怠慢の隠蔽,いや重要事実そのものの隠蔽と言えるでしょう.
Other countries are likely to follow the U.S.'s lead.
The Government should give industry a lead in tackling racism (=show what other people should do).
The black population in the 1960s looked to Ali for a lead (=looked to him to show them what they should do).
メディアについて,「こんな報道があった」というのは指摘しやすいですが,「全くない」というのはとても困難です.やはり組織的なメディア・アーカイビングが必要ですね.→メディアウオッチ委員会の提案
「原爆の完成まで終戦が引き延ばされた」 [メディア・出版・アート]
(11月8日の記事「原爆の対日使用は事前に公知だった?」の続きです.)
12/14追記あり.末尾参照.
鬼塚英昭の「原爆の秘密」を読んだが,実にこの本は原爆の歴史を変えることになるかも知れない.2008年の夏に,「国外篇」「国内篇」の2冊として出版されている.
マンハッタン計画と日本への原爆投下の目的は,表向きはもちろん軍事だが,それに疑問を持つ立場からでも,「終戦後の対ソ関係」など,少なくとも政治的なものとされて来た.しかし著者鬼塚氏の分析は,主には,このプロジェクトに関わった大企業や金融資本の意志であったとするものだ.日本のダムなどと同じように,企業利益のため何としてでも「完成」させなければならない「公共事業」としての目的である.「完成」とは使用=原爆投下を意味する.つまり,原爆によって終戦が早められたのではなく,逆に,原爆の完成まで終戦が引き延ばされたというのだ.これを何十もの公表された文献により根拠づけている.
とても衝撃的な結論だが,原爆に関する従来の歴史観が,科学者と米英の政府を中心とする物語としてとらえるものであったのに対し,この巨大公共事業に食い込んだ大企業(アメリカの三大財閥であるデュポン,メロン,ロックフェラーのすべてが競合的に参加)の「意志」を読み取り,位置づけようとする態度は非常にまっとうなものと言うほかはない.むしろ,これまでの歴史家はなぜこの要素を無視してきたのかと問われなければならないだろう.応援のクリック歓迎
ポツダム宣言に「回答期限」が全く書かれておらず,そのわずか数日後にはテニアン島で広島への原爆の準備がなされている.そして宣言から11日後の投下である.つまり日本政府に回答の余裕を与えようという態度が見られない.これは,なにがなんでも日本に対して原爆を使うという意図があったことの有力な状況証拠だろう.
また,原爆投下の情報が日本軍の中枢部に事前に知らされていたという主張もショッキングだ.その一つの状況証拠として,長崎に抑留されていた米兵捕虜多数が原爆投下の日に神隠しになり,原爆に遭わずにすんでいるというのだ.この事実はどのくらい知られているのだろうか.
(
この項追記あり.末尾参照)
原爆開発の巨大さ,巨額のカネが動いたことは,次のような施設の写真や表からも容易に想像できる.
ガス拡散法によるウラン濃縮工場
オークリッジの「カルトロン」(電磁分離によるウラン濃縮)
プルトニウム生産炉一覧
12/14深夜追記:米兵捕虜「神隠し」の件については「国内篇」の138-139ページ,186-192ページに書かれているが,分散的で非常に分かりにくいし,はっきりしない.たしかに原爆で破壊された幸町の福岡第14分所での原爆犠牲者はわずか8人だが,「POW研究会」のサイトによると,これは「大半の捕虜が収容所から3.5キロ離れた造船所にいたため」としている.
http://www.powresearch.jp/jp/pdf_j/research/fk14_saiwai_j.pdf
鬼塚英昭の「原爆の秘密」を読んだが,実にこの本は原爆の歴史を変えることになるかも知れない.2008年の夏に,「国外篇」「国内篇」の2冊として出版されている.マンハッタン計画と日本への原爆投下の目的は,表向きはもちろん軍事だが,それに疑問を持つ立場からでも,「終戦後の対ソ関係」など,少なくとも政治的なものとされて来た.しかし著者鬼塚氏の分析は,主には,このプロジェクトに関わった大企業や金融資本の意志であったとするものだ.日本のダムなどと同じように,企業利益のため何としてでも「完成」させなければならない「公共事業」としての目的である.「完成」とは使用=原爆投下を意味する.つまり,原爆によって終戦が早められたのではなく,逆に,原爆の完成まで終戦が引き延ばされたというのだ.これを何十もの公表された文献により根拠づけている.
とても衝撃的な結論だが,原爆に関する従来の歴史観が,科学者と米英の政府を中心とする物語としてとらえるものであったのに対し,この巨大公共事業に食い込んだ大企業(アメリカの三大財閥であるデュポン,メロン,ロックフェラーのすべてが競合的に参加)の「意志」を読み取り,位置づけようとする態度は非常にまっとうなものと言うほかはない.むしろ,これまでの歴史家はなぜこの要素を無視してきたのかと問われなければならないだろう.応援のクリック歓迎

ポツダム宣言に「回答期限」が全く書かれておらず,そのわずか数日後にはテニアン島で広島への原爆の準備がなされている.そして宣言から11日後の投下である.つまり日本政府に回答の余裕を与えようという態度が見られない.これは,なにがなんでも日本に対して原爆を使うという意図があったことの有力な状況証拠だろう.
また,原爆投下の情報が日本軍の中枢部に事前に知らされていたという主張もショッキングだ.その一つの状況証拠として,長崎に抑留されていた米兵捕虜多数が原爆投下の日に神隠しになり,原爆に遭わずにすんでいるというのだ.この事実はどのくらい知られているのだろうか.
(
原爆開発の巨大さ,巨額のカネが動いたことは,次のような施設の写真や表からも容易に想像できる.
ガス拡散法によるウラン濃縮工場
オークリッジの「カルトロン」(電磁分離によるウラン濃縮)
プルトニウム生産炉一覧
http://www.powresearch.jp/jp/pdf_j/research/fk14_saiwai_j.pdf
沖縄知事選と村上春樹評 — 週刊金曜日11月12日号 [メディア・出版・アート]
もう一週間遅れになりますが,「週刊金曜日」の二つの記事についてのメモです.
1.沖縄知事選の記事
週刊金曜日12日号の沖縄問題特集は全くピントがずれている.佐藤優編集とのことだが,沖縄に関するこの数週間の最大のアジェンダは「誰を知事にすべきか」のはずだ.ところが記事全体は,数十日の時間スパンではない,数ヶ月や1年以上のオーダーの問題である政府の沖縄政策のことを,焦眉の知事選の前景に持ってきている.特集冒頭の佐藤優の文章の頭の方には,「筆者は,今回の沖縄選挙のこの権力闘争の側面には,関心をあえて持たないようにしている」(14ページ上段)とまであからさまに述べているのだ.
一つおいて,佐藤と糸数,佐高の3氏の座談会記事(22ページ)も似たようなものだ.まるで,「金曜日」は沖縄知事選には「中立」を保たなければならないかのようだ.ちゃんと読もうという気さえ起こらない.いったいぜんたい「金曜日」はどうしたのだろうか?これでは,最低でも,この数日・数週間の沖縄のアジェンダ隠し,最大課題からの逃亡,はっきり言えば,「金曜日」でのこの言説は間接的な仲井真支援だ.もう今日19日は次の号が出ているはずだが,こちらでは土曜日にしか配達されない.果たしてまともな方向に変わっているだろうか?
イハ洋一への応援のクリックを!
2.村上春樹評
同じ号の,村上春樹を論じた中村うさぎ・小森陽一の2氏の対談には大いに納得した.すごく売れているというので,どんなものかと数年前に村上春樹の小説を一つ読んでみた.「カフカ」というのが表題にあるのにつられて,「海辺のカフカ」を読んだのだが,フランツ・カフカとは何のつながりもありはしない.内容も全く意味不明.それだけでなく,読後感が非常に悪い.どうしてこんな小説を書く作家の本がこれほど売れるのだろうか,それも,外国にまで,と不思議に思ったものだが,村上を徹底的にこき下ろしたこの対談記事で納得が行った.要するに,単なるブランド現象というだけのようだ.
1.沖縄知事選の記事
週刊金曜日12日号の沖縄問題特集は全くピントがずれている.佐藤優編集とのことだが,沖縄に関するこの数週間の最大のアジェンダは「誰を知事にすべきか」のはずだ.ところが記事全体は,数十日の時間スパンではない,数ヶ月や1年以上のオーダーの問題である政府の沖縄政策のことを,焦眉の知事選の前景に持ってきている.特集冒頭の佐藤優の文章の頭の方には,「筆者は,今回の沖縄選挙のこの権力闘争の側面には,関心をあえて持たないようにしている」(14ページ上段)とまであからさまに述べているのだ.
一つおいて,佐藤と糸数,佐高の3氏の座談会記事(22ページ)も似たようなものだ.まるで,「金曜日」は沖縄知事選には「中立」を保たなければならないかのようだ.ちゃんと読もうという気さえ起こらない.いったいぜんたい「金曜日」はどうしたのだろうか?これでは,最低でも,この数日・数週間の沖縄のアジェンダ隠し,最大課題からの逃亡,はっきり言えば,「金曜日」でのこの言説は間接的な仲井真支援だ.もう今日19日は次の号が出ているはずだが,こちらでは土曜日にしか配達されない.果たしてまともな方向に変わっているだろうか?
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2.村上春樹評
同じ号の,村上春樹を論じた中村うさぎ・小森陽一の2氏の対談には大いに納得した.すごく売れているというので,どんなものかと数年前に村上春樹の小説を一つ読んでみた.「カフカ」というのが表題にあるのにつられて,「海辺のカフカ」を読んだのだが,フランツ・カフカとは何のつながりもありはしない.内容も全く意味不明.それだけでなく,読後感が非常に悪い.どうしてこんな小説を書く作家の本がこれほど売れるのだろうか,それも,外国にまで,と不思議に思ったものだが,村上を徹底的にこき下ろしたこの対談記事で納得が行った.要するに,単なるブランド現象というだけのようだ.
原爆の対日使用は事前に公知だった? [メディア・出版・アート]
9日追記:どうやら早とちりでした.読み進めると,以下の「ニューディリー放送」というのは,太平洋上の米軍が流していたのではないかと書かれていました(124ページ).お騒がせしてすみません.
原発問題のメールリストで知ったのだが,「原爆の秘密」という本の内容は衝撃的だ.大分県在住のノンフィクション作家,鬼塚英昭氏の著作で,2008年に発行されている.国外編と国内編の2巻だてで,国内編のはじめの5分の1程まで読んだところだ.応援のクリック歓迎 
驚いたことに,原爆の対日使用は事前に公知だったというのである.原爆投下の前に,「広島」の地名も含めてインドのニューデリー放送が日本への使用を伝えていたという事実を,黒木雄司著*『原爆投下は予告されていた!』(1992年)を引用して紹介している.『原爆の秘密 国内編』のp.34〜36を引用する.
BBCの情報なら当然イギリスからも放送されたのだろう.しかしドイツの物理学者は8月6日の時点でもアメリカの原爆開発の状況を全く知らなかったことが,ハイゼベルグ,ハーンら当時の著名な物理学者をイギリスの「ファームホール」に軟禁して会話を盗聴した「イプシロン作戦」で明らかになっている.つまり,このような放送が流された時には彼らはすでに逮捕されていたということだろうか?
この本には他にもいろんな情報が盛りだくさんである.原爆の歴史は塗り替えられるかも知れない.
——————
* この本の中では「黒木勇司」となっているが,アマゾンなど本の検索では「黒木雄司」とあるので,こちらが正解と思われる.
原発問題のメールリストで知ったのだが,「原爆の秘密」という本の内容は衝撃的だ.大分県在住のノンフィクション作家,鬼塚英昭氏の著作で,2008年に発行されている.国外編と国内編の2巻だてで,国内編のはじめの5分の1程まで読んだところだ.応援のクリック歓迎 
驚いたことに,原爆の対日使用は事前に公知だったというのである.原爆投下の前に,「広島」の地名も含めてインドのニューデリー放送が日本への使用を伝えていたという事実を,黒木雄司著*『原爆投下は予告されていた!』(1992年)を引用して紹介している.『原爆の秘密 国内編』のp.34〜36を引用する.
6月2日(月)晴後曇 午後7時ラジオ放送といっても65年も前のことなので,さすがにネット検索でもこの情報を見つけることは無理だろう.しかしこの放送はBBCの中継だったとのことなので,BBCの資料を調査すれば黒木雄司氏のこの証言が事実かどうか確かめられるはずだ.軍は当然外国の放送を傍受していたはずだから,広島への原爆投下を事前に知っていたことになる.ところが,当日その時刻に広島には空襲警報さえ出されていない.軍は多くの広島市民を,そして当日集められていたという多くの軍人を見殺しにしたことになる.
こちらはニューディリー、ニューディリーでございます。信ずべき情報によりますと、アメリカのスチムソン委員会は、全会一致で日本への原子爆弾投下を大統領に、ワシントン時間の6月1日午前9時、勧告書を提出しました。また別の情報によれば、米艦載機約60機が南九州地区の航空基地を主体して空襲し、銃爆撃を致しました。繰り返し申し上げます。
6月4日 (水)曇 午後3時
こちらはニューディリー、ニューディリーでございます。信ずべき情報によりますと、先般、スチムソン委員会においては、原爆投下勧告を米大統領に進言しましたが、軍内部において軍独自に実験してみる必要が急遽発生したため、本日、実験準備命令が出されました。実験部隊、実験場所は公表されておりません。繰り返し申し上げます。
7月16日(月)雨 午後10時
こちらはニューディリー、ニューディリーでございます。信ずべき情報によりますと、本日(7月16日)も米軍P51百機は、前日に引きつづき東海地方の各都市を空襲し銃爆撃致しました。また別の情報では昨日(7月15日)、米国ニューメキシコ州アラモゴードで、世界最初の原子核爆発の実験に成功致しました。繰り返し申し上げます。
8月3日(金)晴 午前8時
こちらはニューディリー、ニューディリーでございます。信ずべき情報によりますと、米軍は来る8月6日、原子爆弾投下第1号として広島を計画した模様です。原子爆弾とは原子核が破裂するものであって、核の破裂にともない高熱を発し、すべてのものは焼き払われることでしょう。繰り返し申し上げます。
BBCの情報なら当然イギリスからも放送されたのだろう.しかしドイツの物理学者は8月6日の時点でもアメリカの原爆開発の状況を全く知らなかったことが,ハイゼベルグ,ハーンら当時の著名な物理学者をイギリスの「ファームホール」に軟禁して会話を盗聴した「イプシロン作戦」で明らかになっている.つまり,このような放送が流された時には彼らはすでに逮捕されていたということだろうか?
この本には他にもいろんな情報が盛りだくさんである.原爆の歴史は塗り替えられるかも知れない.
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* この本の中では「黒木勇司」となっているが,アマゾンなど本の検索では「黒木雄司」とあるので,こちらが正解と思われる.
「コミュニタリアン・マルクス」 [メディア・出版・アート]
ツイッター的「つぶやき」ですが,それにはちょっと文字数が足りないので・・・.
青木孝平という人の「コミュニタリアン・マルクス」という本を読み始めた.サブタイトルは「資本主義批判の方向転換」.コミュニタリアンという言葉は,例のサンデル教授の「ハーバード白熱教室」で知った(サンデル氏自身が「コミュニタリアン」らしい).
はじめの方は資本主義批判のさまざまな理論変遷の歴史が紹介されている.思想史や哲学のベースが貧しいので難解なところも多いが,かなり勉強になる.
マルクス主義による資本主義批判の部分では,古典的マルクス主義による批判の紹介のあとで,J.E.ローマーという人の理論に行き当たった.ミクロな線形理論を使って(*),財の配分のある初期値から出発して,財がより偏在する方向に向かうということを証明したという.つまり資本主義システムのもとでは,資本家階級と無産階級の分化が自発的に起きる.物理の言葉で言えば「自発的対称性の破れ」だ.このような「ミクロ的基礎づけ」は,従来のマルクス主義では無視されて来たのだそうだ.
応援のクリック歓迎
このローマー論文の年号を章末のリストにあたると,なんと1986年,ほんの最近のことだ.マルクス主義派の多くは「訓詁学」ばかりやっているのではないかと疑っていたが,ひょっとしたら当たっていたのかもしれない.「資本論」から百年も経たないと,基礎的な数学ツール(この本には「線形数学」とある)を使った基礎づけさえ試みられていないとは!他の学派は盛んに使っているのに・・・.
それにしても(もっと前の方で紹介されているのだが)D.フリードマンらの「リバタリアニズム」の考えの単細胞さ加減には驚く.地位を持った学者がその肩書きを持って発表すれば,どんな極論でもまともに受け取られてしまう可能性があるということだ.恐ろしい話で,これまた「公共の政策それ自体が科学技術エリートの虜となる」例かも知れない.この過激イデオロギーの影響と被害はまだ世界に拡大しつつある.
* ちょっと疑問なのは,ローマーの論文に当たらないと何とも言えないが,線形プロセスだけで非対称が拡大するというのはちょっと奇妙な気がする.何らかの非線形の要素が必要なのではないか.
青木孝平という人の「コミュニタリアン・マルクス」という本を読み始めた.サブタイトルは「資本主義批判の方向転換」.コミュニタリアンという言葉は,例のサンデル教授の「ハーバード白熱教室」で知った(サンデル氏自身が「コミュニタリアン」らしい).
はじめの方は資本主義批判のさまざまな理論変遷の歴史が紹介されている.思想史や哲学のベースが貧しいので難解なところも多いが,かなり勉強になる.
マルクス主義による資本主義批判の部分では,古典的マルクス主義による批判の紹介のあとで,J.E.ローマーという人の理論に行き当たった.ミクロな線形理論を使って(*),財の配分のある初期値から出発して,財がより偏在する方向に向かうということを証明したという.つまり資本主義システムのもとでは,資本家階級と無産階級の分化が自発的に起きる.物理の言葉で言えば「自発的対称性の破れ」だ.このような「ミクロ的基礎づけ」は,従来のマルクス主義では無視されて来たのだそうだ.
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このローマー論文の年号を章末のリストにあたると,なんと1986年,ほんの最近のことだ.マルクス主義派の多くは「訓詁学」ばかりやっているのではないかと疑っていたが,ひょっとしたら当たっていたのかもしれない.「資本論」から百年も経たないと,基礎的な数学ツール(この本には「線形数学」とある)を使った基礎づけさえ試みられていないとは!他の学派は盛んに使っているのに・・・.
それにしても(もっと前の方で紹介されているのだが)D.フリードマンらの「リバタリアニズム」の考えの単細胞さ加減には驚く.地位を持った学者がその肩書きを持って発表すれば,どんな極論でもまともに受け取られてしまう可能性があるということだ.恐ろしい話で,これまた「公共の政策それ自体が科学技術エリートの虜となる」例かも知れない.この過激イデオロギーの影響と被害はまだ世界に拡大しつつある.
* ちょっと疑問なのは,ローマーの論文に当たらないと何とも言えないが,線形プロセスだけで非対称が拡大するというのはちょっと奇妙な気がする.何らかの非線形の要素が必要なのではないか.







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