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核の発射ボタンがトランプの手に渡るとき [反核・平和]

trump-nhkbs.jpgたまたまNHK-BSを点けたらアメリカ大統領予備選のトランプ候補のことを取り上げたイギリスのドキュメンタリーをやっていた.

「ドナルド・トランプのおかしな世界」
原題は“The Mad World of Donald Trump”

最後の15分ほどを見ただけだが,タイトルから分かるように,正気の目でトランプ狂乱を眺めたものだ.終わりの方でスコットランド自治政府の首相(First Minister)を務めたサモンド氏のインタビューシーンがあった.応援のクリック歓迎

「トランプが大統領になったらどうするか」と問われて,「私は南極に逃げる.放射能の影響が最も少ないから」と答えていた.つまり,北半球で核戦争が起きたとき,放射能から最も安全なのは南極だというわけだ.さすが,スコットランド国民党(SNP)のかつての党首として,また元自治政府のトップとして,自国イギリスの核に強硬に反対し続けた人物だけのことはあると感心した.

次は,2007年,彼がスコットランドへの核弾頭輸送に反対するのを報じたスコッツマンの記事.
“Bringing nuclear warheads up north? Not if I have my way, warns Salmond”
http://www.scotsman.com/news/politics/bringing-nuclear-warheads-up-north-not-if-i-have-my-way-warns-salmond-1-918047
関連映像:スコットランドへの核弾頭輸送とそれを阻止しようとする人々(2006年)
Ikimono_no_kiroku_poster.jpg
黒澤明の「生き物の記録」(1955年)は核兵器の死の灰におびえる男の物語だが,この恐怖が強く現実味を帯びる日が来ないとも限らない.

社会評論の短文を転載 [反核・平和]

昨年末の記事の「社会評論」短文ですが,次の号が出て旧号になったので,出版社の許可を得て転載します.応援のクリック歓迎
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2015-12-31
1401577.gif5/7追記:本文中数カ所に関連記事へのリンクを設置しました.
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[巻頭エッセイ] →誌面イメージ

戦争法,どうすれば阻止できたのか
         豊島耕一(元佐賀大学理工学部教授)
戦争法が国会を通過したことにされてしまったのは重大な敗北である.問題は今回の運動の総括の仕方だ.避けるべきは,かつてない規模で,また多様な新しい形の運動が行われたことだけを取り上げて,まるで勝利したかのような言説で終わってしまうことだ.これでは敗走を「転進」と呼んだ旧軍部と同じだ.プラスの面を正当に評価し,自らのエンパワーメントにつなげるのは当然だが,なぜ負けたのか,どうしたら勝て「た」のかを(あるいはもともと勝つ見込みはなかったのかを),深く,多面的に分析しなければならない.これには想像力が必要で,また骨の折れる作業だ.

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オスプレイ反対決起集会・佐賀 [反核・平和]

DSC_8465r.jpg本日,佐賀・川副中学校体育館で開かれた「オスプレイ絶対反対決起集会」,約2,000人の参加で盛り上がりました.(写真はクリックで拡大)集会決議はたいへん素晴らしいものでした.ネットに出ていないようなので,配布されたプリントを以下に転載します.青色の参加人数の部分は,読み上げるときに追加されたものです.
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集会決議

「公害防止協定」を誠実に守るなかで
佐賀空港と県土の平和的発展の道を進みましょう

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台湾の反核運動における非暴力直接行動 [反核・平和]

61mPEuZijsL._SX335_BO1,204,203,200_.jpg「原発を止めるアジアの人びと」という本(ノーニュークス・アジアフォーラム著)に,アジアのいろんな国の反核運動の現在が紹介されている.日本との違いが目立つのは,非暴力直接行動が大きな位置を占めていることだ.台湾の場合を,この本の96〜97ページから紹介する.
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非暴力直接行動
一四年三月八日、「原発廃止デモ(全台廃核大遊行)」は雨のなか計一三万人が参加した。台北のサウンドカーに引率された隊列では、行政院(政府)前の交差点で、スタッフが突然、黄色封鎖線を引いた。警察がただちに反応できずにいるなか、数千人の市民が交差点を占拠することになり、交通が遮断された。原発事故通報サイレンのような音が響き、防護服を着用したスタッフが、デモ参加者に横たわってくださいと指示。原発事故が起きたら台湾の国民は死ぬほかに道がないということを表現した。

この道路占拠は三〇分間続いた。「不核作運動」が呼びかけられたのだ。「非暴力運動」=「非協力運動」は、台湾では「不合作運動」となっている。「合作」は「協力」の意味。「合」の北京語読みは「核」と同じなので、語呂合わせで「不核作運動」となり、「非協力」と「反原発」を同時に表わしている。

中国とのサービス貿易協定の立法院(国会)承認をめぐって、三月一八日から四月一〇日まで、立法院占拠が行われた。この前代未聞の事件を、台湾のメディアをはじめ海外のマスコミも、「ひまわり学生運動」と報道した。たしかに表に出て発言していたのは学生の代表で、立法院の中には若者が多かったが、実は多くの市民団体が支えていた。毎日数千人の市民が立法院のまわりを囲んで盾となり、三月三〇日には五〇万人集会が行われた。原発推進も含めて、馬英九政権の民意無視・独断専行は度を越していたのだ。

立法院占拠の熱気冷めやまぬ四月二二日、第四原発の廃止を訴えるため、民主化闘争のシンボルである林義雄(リン・イーシォン)さんが、死を覚悟して無期限断食を開始した。断食に呼応する形で、全国一二六団体による「全国廃核平台(原発廃止全国ネットワーク)」が動き出した。二六日、大勢の市民が総統府前に座り込んだ。その場で、翌日のデモ行進とともに道路占拠を行うことが予告された。

二七日午後、「終結核電(ヂョンジエホーディエン)、還権於民(ホアンチユエンユィミン)(原発を終わらせよう、主権を市民に返せ)」と叫びなが、五万 人のデモ隊が、総統府前の凱達格蘭(ケダガラン)大道から出発した。忠孝西路の台北駅に面したエリアに着いたデモ隊は、予告通り、 道路占拠を図り、人数の勢いで警察の封鎖を突破し、八車線道路を十五時間占拠した。

激動の事態展開のなか、馬英九政権は妥協し、二基ともほぼ完成していた第四原発の「稼動・工事凍結」を発表した。「第四原発稼働は馬英九政権では凍結され、二〇一六年に誕生する新政権下の民意に判断が委ねられることになった」と報道された。

林義雄さんはこう述べた。「この数カ月のあらゆる抗議行動で、台湾人民がすでに普遍的に覚醒したことが・・・
台湾が現存する六基の原子炉廃止を決めたというニュースをあべともこ衆議院議員が伝えている.
https://twitter.com/abe_tomoko/status/703721100778180608
福島原発事故を自ら経験しながらも再稼働へと進むこの国,他の国の事故を教訓として民意によって原発廃止に進む台湾,この違いの運動側の原因の一つに,直接行動の有無があるのではないか.
関連記事:台湾の反核運動家のスピーチ(川内市,2014年8月31日)
img488h.jpg

ロケット発射への「ミサイル防衛」発動は戦争への心理的地ならし [反核・平和]

1401577.gif2/12追記:田岡氏の議論が包括的で説得力があります.乗松さんのツイートにあった「ある軍事評論家」とは同氏のことではないか?1401577.gif3/4安保理決議の表現を末尾に追記
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北朝鮮(以下,DPRK)の長距離ロケット発射に対して,メディアは「ミサイル発射」と報道し,これに対して政府がPAC-3などミサイル防衛を発動する事態になりました.過剰反応にとどまらない危険な戦争準備活動(主に国民心理の調教)には大いに警告を発しなければなりません.いや,政府の「破壊措置命令」が本当にロケット本体に実施されたなら,戦争になっていたかも知れません.
朝日160206.gif 明日(11日)久留米市で戦争法廃止の集会が開かれますが(新聞記事も参照下さい),そのフライヤーの裏面が真っ白だったため,この問題で次のような文章を作り裏面に印刷,自宅の周辺30軒ほどに配りました(表はこれ).私が提唱するところの「マルチチュード・メディア」です.画像クリックでpdfに行きます.また,画像の次に追記があります.応援のクリック歓迎

dprkrocket16w540.jpg

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戦争法阻止運動の「総括」 [反核・平和]

高田健氏,総がかり行動,園良太氏の総括について.1401577.gif(末尾に追記あり)
戦争法阻止の大衆的運動は歴史的なものだったが,その本格的な総括もまだ出ていないようだ.しかしいくつかそれらしい文章は発表されている.応援のクリック歓迎

高田健氏の,「戦争法に反対するたたかいの経過と展望」(サブタイトル)という文章が,「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の9月25日号に掲載されている(→ウェブ上にも).運動の「総括」という言葉がほとんど使われなくなったが,それに相当する文章だろう.「総がかり行動」の中心人物なので,この間の国会前大規模デモなどを組織したこの団体を代表する見解と見なせる.

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「基地引き取り運動」について [反核・平和]

1401577.gif[移設問題というデマ]に関しては,NHKの「沖縄空白の一年~“基地の島”はこうして生まれた」を是非ご覧下さい.1401577.gif2016.10.11追記:国会答弁:「普天間代替施設は日本政府の法的義務ではない」
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沖縄の基地の「引き取り運動」というのがあります.東大の高橋哲也氏も中心的にコミットされているようです.この運動について意見を述べたいと思います.まず結論から言えば反対です.

何よりも,この運動は,普天間/辺野古の問題は「移設問題である」という日米政府によるデマ(1401577.gif↑冒頭参照)を前提にしています.そもそも移設ではなく普天間基地の単なる撤去の問題です.
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また,この運動は,「安保条約容認派が国内で多数である以上,米軍基地をどこかで引き受けなければならない」という前提に立っていますが,かりに安保体制を認めるにしても,これだけたくさんの米軍基地が日本国内に必要だということにはなりません.なぜ減らしたらいけないのか,その説明がありません.

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「日中間の軍事衝突」が当たり前のように語られる時代 [反核・平和]

1401577.gif10/23:安保条約への対応について末尾に追記.
「言論NPO」による国際世論調査の結果が毎日新聞に出ています.
言論NPO世論調査:「尖閣」介入、米国民慎重 日中衝突で軍派遣「反対」64%
http://mainichi.jp/shimen/news/20151021ddm002040163000c.html
一部引用:「沖縄県・尖閣諸島を巡って日中間で軍事衝突が起きた場合に米軍の派遣を正当化できるか聞いたところ、米国の回答者の64%が反対と答え、賛成は33%だった。」

「尖閣で日中間で事が起きても,『集団的自衛権』は役に立ちませんよ」というように読む人も多いかも知れませんが,私はむしろ,「尖閣諸島を巡って日中間で軍事衝突が起きた場合」という前提が当たり前のように語られていることに恐怖を感じます.またそのように慣れさせる効果を,このニュースは持っています[注].九条の「武力による威嚇叉は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」などどこ吹く風.尖閣諸島の領有権問題はまさに国際紛争ではないでしょうか.
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いったい,無人島の領有をめぐって,両国の人々が殺しいをしなければならない理由はなんでしょうか?国際司法裁判所もあるのに,なぜすぐに軍事へと議論が行くのか.比喩にはもちろん限界がありますが,隣家と土地の境界線争いが起きた時,こん棒を用意しますか?

改憲派も含めて立憲主義の戦線を作ることは賛成ですが,九条を字義どおり守る主張(九条原理主義と呼ばざるをえない状況?)を弱めてはいけないと思います.世論は,提出される議論のスペクトルに影響されます.原理主義の主張が弱まれば,議論はどんどん「現実主義」,つまり自衛隊合憲視ないし合憲化の方向に,さらには「集団的自衛権」容認へと引っ張られるでしょう.人は,目の前に表れたいろんな議論から,知らず知らずに相対的な「中庸」を選ぼうとするのではないでしょうか.

関連して,共産党・志位氏の自衛隊をめぐる発言も気になります.15日の日本外国特派員協会での一問一答から.
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-17/2015101704_01_0.html
「日本に対する急迫・不正の主権侵害など、必要にせまられた場合には、この法律にもとづいて自衛隊を活用することは当然のことです。」
果たして尖閣への,例えば中国軍の上陸などがこれに該当するのか?たとえ侵略であっても無条件に武力で応ずるべきではありません.それとも自衛隊に無条件の応戦義務でも規定されているのでしょうか?

暴力/非暴力の問題は,国家間の争いと国内のそれとで違いがあるべきでしょうか?市民運動も,合法の範囲のスタイルはもちろん,直接行動であっても,今日ではだれでも「非暴力」を唱えます.仮に警察などがデモ隊に暴力を振るったとしても,市民運動側が暴力で応じる事は禁じ手と見なされているはずです.なぜ国家間の問題だと,非暴力主義者のはずの市民,そして左派政党までもが,暴力を振るわれた場合はほぼ無条件的に軍事つまり暴力を簡単に容認しようとするのでしょうか?

九条問題に関しては「フル・スペクトラム・アーギュメント」を提唱します.原理主義も含め「人を見て,TPOをわきまえて,法を説く」ということです.
ブログ記事「自衛隊の存在そのものが違憲である」を参照頂ければ有り難いです.
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2015-07-23

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1401577.gif10/23追記:安保条約への対応
志位氏は安保条約への対応については,上記の一問一答で次のように述べています.
「国民連合政府」の対応としては、日米安保条約にかかわる問題は「凍結」するということになります。先ほど述べたように、戦争法廃止を前提として、これまでの条約の枠内で対応することになります。日米安保条約では、第5条で、日本に対する武力攻撃が発生した場合には(日米が)共同対処をするということが述べられています。日本有事のさいには、連合政府としては、この条約にもとづいて対応することになります。
これを多くの人はどう受け取るでしょうか?即,軍事行動で応じると理解されるのではないでしょうか.志位氏が引用するように,日米安保条約第5条には,「自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動する」と述べてあるだけです.この条文にある「自国の憲法上の規定」を最も真っ当に解釈すれば,軍事対応などあり得ません.交戦権を否定しているのですから.そこまで行かなくても,安保条約に無条件な軍事対応など明記してあるわけでもありません.志位氏は,むしろこのことこそ強調すべきではないでしょうか.
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:調査を実施したNPOにその意図があるとは思えませんし,むしろ反対だとは思います.ブログには「言論NPOは2年前の2013年、中国との間で『不戦の誓い』に合意」とあります.

抵抗運動におけるユーモアの効用—学術誌論文に面白い一節 [反核・平和]

前の記事で“Journal of Resistance.Studies” という新雑誌(学界紙)を紹介した.http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12#jrs
(その雑誌のサイト http://resistance-journal.org

その論文の一節に面白い記述があったのでぜひ紹介したい.
著者はJason MacLeod,タイトルは “Building Resilience to Repression in Nonviolent Resistance Struggles” という論文の,Individual Responses to Building Resilience to Repression (弾圧からの回復力形成の様々な対応)という一節.
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Humour can also be used to reduce the effect of fear. I recall, for instance, facing a phalanx of riot police on the barricades of the World Economic Forum in Melbourne in 2000. When the riot police appeared replete in black armour and helmets, visors down, advancing in unison while beating their batons on their shields, someone started to hum the soundtrack that was played in Star Wars films whenever the Storm Troopers and Darth Vader appeared. Others took up the chant. Suddenly the whole crowd was singing it. Many laughed and morale soared as we sang the music, positioning ourselves as Jedi Knights against the Evil Empire. The performance tapped into a powerful shared aural memory. We knew who we were and how the story would ultimately unfold. This helped people stand their ground and maintain nonviolent discipline.
(拙訳)
ユーモアもまた恐れの効果を減らすのに使われる.例えば,私が思い出すのは,2000年のメルボルンでの世界経済フォーラムで,会場のバリケード前の警察機動隊の隊列に直面した時のことだ.機動隊が黒の装甲服にヘルメット着用,バイザーを下げて,警棒で楯を叩きながら一斉に前進して来た時,誰かが,映画スターウォーズでストーム・トルーパーとダース・ヴェーダーが現れる場面でいつも流れる音楽をハミングし始めた.他の人が歌い継いだ.するととつぜん群衆全体がそれを歌い出した.多くの人が笑い,歌うことで自分たちを悪の帝国に立ち向かうジェダイの騎士の立場に置き,志気が大いに高揚した.この出来事では,みんなに共通に耳に残る記憶のパワーが活用されたのだ.私たちは自分たちが何者かを理解したし,物語が最後にどう展開するかも知っていた.このことは,人々が一歩も引かず,かつ非暴力の規律を守ることの助けになった.
この音楽と言うのは,“Darth Vader Imperial March”と言うようだ.次はwikiにあった冒頭部分の楽譜.
800px-Star_Wars_The_March_of_the_Empire.png
歌詞があるというのは知らなかった.多分ファンが後で作ったものだろう.たとえば次のYoutube動画.
https://www.youtube.com/watch?v=R2eJ0YI9VQs