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伊藤真講演会で「代替防衛」が議論に—久留米大学で [憲法・教育基本法]

今日の沖縄県知事選は残念な結果だったが,平良夏芽さんのツイートのように,気持ちを切り替えて・・・
http://twitter.com/#!/natsumetaira/status/8872772939808768
仲井真の当確がでた。 気持ちを切り替えて、仲井真の県外を実現しよう‼ どのみち、日米両政府と闘わなければならないのだから、あまり違いはない! ただ、とめるだけ\(^o^)/
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itoatkurume.jpg今日(28日),伊藤真講演会が久留米大学で開かれた.主催は「ちっご九条の会」.2時間超の早口の熱弁だった.通常テンポだと3時間は超えただろう.早口でも滑舌が良く聞き取りやすい.質疑応答の大半は意外にも「代替防衛」に集中した.講演の中で「攻められたらどうするか」への答えとしての「非暴力抵抗」という考えを紹介したのがきっかけだ.

質疑応答でのこの展開は,軍事力,つまり自衛隊に代わる国防を主張する九条原理主義者の私にはとても満足だった.彼は“AD"(alternative defence)の言葉も使ったので,この問題をだいぶ深く考えておられると見た.

講演の中で,この「非暴力抵抗」による国防に触れた部分の録音.

もちろん,伊藤氏が展開している「一人一票運動」についても,冒頭で力を込めて紹介された.写真は,キャンペーンのTシャツを着て講演する伊藤真氏.図柄の動物は「豹」で,一票の「票」にかけたダジャレとのこと.
伊藤氏のツイッター http://twitter.com/#!/ito__makoto

「代替防衛」についての当ブログ記事も参照願いたい.
「憲法九条下での国防」
1401577.gifさらに関連記事:「攻められる」ことと「攻める」こととの等確率性

条文改憲の動きの狙いは「目くらまし」か? --久留米市での憲法集会 [憲法・教育基本法]

久留米の憲法集会に参加した.メインの講演は元九大教授の斎藤文男氏.福岡のローカルテレビFBSの「めんたいワイド」で長年コメンテーターを務めていたので,広く知られた地元の有名人だ.専門は憲法.

sany338-808.jpg講演は,私にとって非常にinformative,つまり情報に富み,聴き応えのあるものだった.聴衆の多くにとってもそうだったと思う.「民主党政権で憲法改正はどうなる?」と題して,憲法九条を中心に据えて,その「改正」の4つのカテゴリーについて論じた.つまり,(1)条文改憲,つまり九条の条文そのものを変える,(2)解釈改憲,(3)立法改憲,(4)外交改憲,の4つである.

1と2は説明不要だが,3と4は聞き慣れない言葉だ.3は要するに憲法を無視した法律を作って,実質改憲してしまうこと,4は外国との「共同声明」などで,違憲の約束をしてしまうことだ.つまり特に新しい概念ではないが,このようにきちんと名前がつくと,その問題点がはっきりと「可視化」される.やはり言葉が重要だ.
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斎藤氏は,護憲勢力は1の条文改憲にばかり目を奪われて,他の3つの「手口」によって実質改憲されている事態から,そして今後もそれが進められるだろうという危険の重大性から,視線が逸れていると批判した.

牛と闘牛士のたとえでこれを説明した.つまり,「九条改憲するぞ」というのは闘牛士がヒラヒラさせる赤い布であって,布に向かって突進し隠された剣に気付かない愚かな牛は,いずれその剣で頸椎をやられるというのだ(もうすでにかなりやられている).

これは,護憲勢力の状況を,あえて言えば間抜けさを,するどく言い当てた喩えではないかと思う.ちょっと我田引水になるが,われわれPネットなど「ミサイル防衛」と呼ばれる新たな軍拡を危惧するグループは,PAC3配備がまさに憲法九条の問題だととらえてこれに対抗した.しかし今日の護憲勢力のメインストリームとされる全国各地の「九条の会」が,あるいはその系列の人々の多数が,この問題で動いたという話しを聞かない.

日米関係については,アーミテージ・リポートや,2007年のナイ・アーミテージ・リポートの核心を,非常に分かりやすい言葉で説明した.また,いわゆる「集団的自衛権」「兄弟仁義の助っ人戦争」と言い換えた斎藤氏の言語力には敬服した.さすが,長年テレビメディアで錬磨された人ならでは,と思う.

ただ,斎藤氏が「条文改憲」の動きについて,これを「ありえない」と断言し,100%闘牛士の赤い布に過ぎないと決めつけたたのは問題だ.根拠の一つに世論調査の数字を挙げたが,これはメディアの作戦次第ではどうにでも動くだろう.北朝鮮がまたミサイルを数発撃つだけでもいいかも知れない.変わるときは変わるし,しかも恐るべきスピードで変わるのだ.

後半は「誰でもアピール」と称して,フロアから一人5分で多くの人が発言した.実は私は事前に「根回し」されていたので,準備したメモにしたがって,PAC3配備反対運動について話しをした.斎藤氏の批判にぴったり応える内容になっていたので,ちょっと満足.録音を計測すると,20秒オーバーで,まずまず時間も守ったことになる.

斎藤氏の講演は座席で録音したので,ここに置きます.多分主催者はやらないだろうから,もったいないので・・・.
http://ad9.org/people/AVfile/DM-10159.mp3
(高圧縮の録音をMP3に伸張したもので,音質は良くありません.そろそろ買い換え時期のよう.)

もったいないと言えば,これだけの有名人だから,宣伝次第ではもっとたくさんの,右から左まで,幅広い人を集められるはずだったと思う(眺めたところ200名弱).新聞折り込みが「赤旗」だけというのではどうしようもない.少なくとも「西日本」などの地方紙には折り込んで欲しかった.そのようなことにこそお金をかけるべきだろう.ネットでの事前宣伝もなかったようだ.ネット検索でこの催しは全く出てこない.

1401577.gif4日追記:読売が報道しています.
憲法記念日県内各地でも集会
また,低気温のエクスタシーが大幅に当ブログ記事を引用してくれています.
「外交改憲」の手法で憲法第9条を形骸化する流れが強まると思う

転載:今回国民審査を受ける9人の最高裁裁判官の横顔 [憲法・教育基本法]

選挙と同時に行われる最高裁判事の国民審査ですが,マスメディアはもちろん,ネット上にも情報が圧倒的に少ないようです.審査対象の判事について,日本民主法律家協会に要領よくまとめた文書がありました.pdfファイルだけなので,テキスト化してみました.

今回国民審査を受ける9人の最高裁裁判官の横顔
【年齢/任命・定年の年月日/出身/主な関与判決 等々】
(次のページにあるpdfファイルをテキスト化)
http://www.jdla.jp/kokuminshinsa/2009shinsa.html
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尾木直樹氏,「ジェラシーを感じる」--土肥元校長の提訴会見 [憲法・教育基本法]

職員会議での挙手・採決禁止に反対して立ち上がった土肥信雄・都立三鷹高校元校長は,通常ほとんど無条件に認められる退職後の非常勤教員としての採用が,理由も明らかにされないまま認められませんでした.土肥さんはこれを不当として都を相手取って損害賠償訴訟を起こしました.その記者会見の様子がメールニュース「自由の風MN」6日付けで流されました.執筆者の許可を得て,以下に転載します.
土肥先生に応援を

なお,これは土肥先生支援のブログ http://blog.goo.ne.jp/ganbaredohi に近日中にアップする予定とのことです.--いや,タッチの差ですでに掲載されていました.
(それにしても,「それなら私も」と土肥さんに続こうとする校長がたったの一人もいなかったとは・・・.何という「弱腰病ウイルス」の蔓延ぶりでしょうか.「フェイズ6」の警戒レベルでも追いつかない.)

---転載開始---

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自由の風MN 09.6.6
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1. 6月4日提訴・記者会見の報告
2.東京都都議会文教委員会で
  「30人学級を求める請願」が不採択

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1.6月4日提訴・記者会見の報告

6月4日(木)2時45分 東京地裁1階に参集したのは土肥先生、3人の弁護士、尾木直樹(教育評論家)、西原博史氏(早稲田大学教授)、 高嶋伸欣氏(琉球大学名誉教授)、保護者、教え子など約20人。

全員で14階の民事届出窓口へ。20分ほど待たされたあと弁護士さんと土肥先生が書類を出すのを後ろから見守りました。その後2階の司法記者クラブ会見室へ。
都庁記者クラブ会見室よりはるかにせまい会見室にはすでに報道関係者約20人でいっぱいでした。
テレビカメラ5台(TBS,NHK,テレビ朝日、フジテレビ他)、膳場キャスターの顔も見えました。

吉峯弁護士の司会で、まず土肥先生より「提訴にあたって」の意志表明をされました。
(全文はホームページかブログに掲載予定)
「提訴できてホッとしました。これで都教 委と公開で討論することができる。」という言葉が印象的でした。

吉峯弁護士「提訴がこの時期になったのは、3月末ぎりぎりまで校長職を全力でつとめていたから。一連の都教委の行為のひとつひとつを問題化することによって、都教委がこんなことをやっているのかと保護者や都民にあきらかにされることに意味がある。」

尾木直樹さん「生徒たちが土肥先生に書いた色紙を見てジェラシーを感じた。校長が全員からの色紙をもらうなんて全国でもまれな快挙で、生徒とのコミュニケーションが いかによかったかの証し。土肥先生は挙手・採決禁止の通知に違反したのではなく意見表明をしただけ。こういうのを教育の世界ではイジメという。イジメには毅然と対 応せよというのが文部科学省の指導なので毅然と提訴する。全国の教師が応援している。」

西原博史さん「簡単に言えば、土肥問題はいじめの構造である。ある時点から校長に運営責任、権限を預けた以上、尊重すべきであるにもかかわらず校長が権限を発揮しようとすると、足をひっぱたり、妨害をする無責任体制を
つくってきた。校長の権限をどう考えているのか、校長はロボットなのか、現場の先生の意向をどう取り入れていくのか、都教委の考えを知りたい。瀬戸際の事件と考え、最初から応援してきた。都民の誰もが関わりのある問題です。」

三鷹高校元保護者「土肥校長は生徒のために全力で教育をしてきたと言ったが、本当にあんな校長先生ははじめてで、保護者にとっても衝撃でした。はじめは体育の先生かと思った。数学を教えてもらったり、いろんな面を持った先生だ。うちの娘は目 立たない平凡な子だが、そんな生徒でもきちんと覚えて一人ひとり見守ってくださる。 親として一番うれしい。その先生が、人間はいざとなったら立ち上がらなくてはならないこともあると身をもって示してくれた。これも先生の教育の一環と思う。

小川高校OB「土肥先生の授業は毎週楽しみだった。政治経済の重たいテーマで、難しいことも多かったが、楽しく教えてもらった。授業をことこまかに思い出せるのは 土肥先生くらい。最近になってテレビで土肥先生が出ているのを知り、同級生と連絡をとりあって「土肥先生の話を聞く会」を作った。この問題は根が深いので、この問題の中身を理解したい。」

同「土肥先生から習ったことで思い出すのは基本的人権。「ボクの大好きな基本的人権・・・」と歌ったほど。この提訴でも人権の大切さを身をもって示してくれた。」

会見後、司法記者クラブ前の廊下でミーティング。
土肥先生のお礼の挨拶のあと、吉峯弁護士の話。
「裁判官は傍聴席の人数や雰囲気も気にしている。この裁判は私にとっても面白く吉峯法律事務所をあげて取り組む。社会にとって瀬戸際の裁判だ。」

                              以上

追記)昨年より土肥先生を追って撮影を続けてきたオルタスジャパンのドキュメンタリ ーの放映は6月22日(月)深夜のフジテレビに決まったそうです。後日詳細をお知らせします。
                                    
mk記

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佐賀新聞のインタビュー記事 [憲法・教育基本法]

佐賀新聞,2009年5月2日の記事を,同社の許可を得て転載します.紙面では22ページにあります.
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揺らぎの中で(下)▼佐賀大理工学部教授・豊島耕一さん

国民保護
「有事」演出 見抜く目を


 □北朝鮮のミサイル発射問題で、日本政府の対応をどう見たか。

 ■非常に一面的で一方的。過度な緊張感をあおり、まるで戦後初の「空襲警報」だった。破壊措置命令に基づきPAC3(地対空誘導弾パトリオット)が東北地方に配備されたが、日本海から太平洋までの軌道をカバーする態勢ではなく、有事を演出するショーに見えた。発射を思いとどまらせるため関係国に使節団を送るなど、積極的な外交努力は見て取れなかった。北部九州へのPAC3配備を含め、ミサイル防衛(MD)システムの普及に向けた宣伝に利用したようにみえる。
 □こうした事態には、どう対処すべきと考えるか。

 ■弾頭が付いておらず、落下する破片が対象なら「防災」として対処すべきだろう。宇宙からの落下物をめぐる対応と何ら変わらず、いたずらに「迎撃」という軍事用語を使うべきではない。市民も冷静に対応すべきだ。政府としては、発射回避に向けて外交努力を優先しなければならない。ただ、「やめろ」というだけでは説得力がない。核兵器開発を目指す国がこうした実験をするのは脅威で、歯止めをかけなければならないが、北朝鮮側も在日米軍が保有する巡航ミサイルなどを脅威に感じているだろう。日米サイドも、軍備縮小など緊張を和らげる材料を示しながら交渉する姿勢が重要だ。

 □国民保護法の制定など、有事を想定して、国が市民を管理しようとする動きが強まっているとされる。

 ■法の名称は「保護」となっているが、戦争準備や軍備増強のための「心理的な動員」を促す側面があると思う。有事を演出し、緊張をあおるような政策と一体的なものと考えている。市民は巧みにコントロールされかねない。国民保護法が適用されるような場面では、どういう勢力が何を目指しているのか、よく見極めないといけない。

 □憲法九条を含む改憲論議の行方は。

 ■憲法改正手続きを定めた国民投票法が二〇一〇年に施行される。準備は着々と進んでいるようだが、今回のような発射実験が繰り返されれば、敵地攻撃能力さえ容認するような改憲派が増えることが考えられる。それでなくても、自衛隊の活動域は世界各地に広がってきており,不測の事態が起きれば、「現行憲法の制約」をあげつらって九条が狙い撃ちされる恐れがある。ソマリア沖の海賊対策など小刻みに「慣れ」が重なり、改憲の動きが出てきたら速いかもしれない。このような風潮に安易に流されず、多様な政治的な見方や立場を踏まえながら、一人ひとりが平和憲法の理念を真剣に考える必要がある。

 □オバマ米大統領のプラハでの核廃絶演説をどう受け止めたか。

 ■画期的だった。包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を目指すなど具体策を打ち出しており、政策の一大転換だと感じた。ただ、彼一人で成し遂げられるものではなく、軍事産業からは圧力もかかるだろう。孤立しないように、核廃絶運動を進めてきた市民団体の責務は重くなる。被爆国である日本の政府はこの問題で、米国のサポート役にとどまらず、リードしていかなければならない。

海賊問題ではなく「国際紛争」 [憲法・教育基本法]

ソウル集会の続報を書こうと思ったが,その前に緊急の優先テーマに触れておかないといけない.

「海賊対策」という言葉に騙されて,またまた九条の「実質改憲」の重大な一歩が見過ごされようとしている.野党のはずの民主党は,「何でも反対」ならぬ「何でも対案」とでも言うように,またまた「対案」という形でこの動きに協力しそうである.(民主党のこのような傾向については,当ブログの記事「民主党の対案病」をご覧下さい.)
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この問題では自由法曹団の一連の意見書や声明文が要点を突いている.ポイントの一つは,ソマリア沖の件は海賊問題などではなく,「国際紛争」であるという指摘だ. 大脇道場さん秘書課・村野瀬玲奈さんところでこの文書を見たのだが,早速このブログにも転載する.改良点は,引用された,同団体が直前に出した2つの文書に本文中でリンクを付けたことだ.

連休とそれを前後して,大規模な集会やデモが必要だ.マスコミがこの問題を大きく取り上げざるを得ないような状況を作らなければならない.

-------以下,自由法曹団の声明を転載-------

衆議院での海賊対処法案強行採決に抗議し、廃案とソマリア派兵中止を求める声明
http://www.jlaf.jp/jlaf_file/090423kaizokuhouansaiketu-kougiseimei.pdf

1 本日、「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律」案(海賊対処法案)が、衆議院において強行採決された。
 法案が国会に提出されたのは3月14日であり、政府が「さざなみ」「さみだれ」の2隻の護衛艦をソマリアに派遣したその日であった。本日の強行採決は、それから、わずか1ヶ月強しか経過しておらず、法案審議の期間は1週間という拙速審議であった。

2 法案は、海賊対処を口実に、自衛隊の恒常的な海外派兵を認めようとするものである。
 自由法曹団は、意見書「警察活動を口実にした海外派兵・武力の行使 ソマリア沖派兵と海賊対処法案に反対する」(4月9日付)、緊急意見書「『修正』で問題は解決しないーソマリア沖派兵の中止と対処法案の廃案を求める」(4月21日付)を発表して、法案の問題点を指摘し、廃案を求めてきた。
2つの意見書で指摘しているとおり、ソマリア沖の事態は「国際紛争」であり、護衛艦の武力行使は日本国憲法を蹂躙するものである。また、海賊問題の解決はソマリアの政治経済の再建と治安の回復以外に道はなく、そのための協力こそ求められている。

 また、法案は、
(1) 利権擁護と海の治安維持を公然と掲げた法案であること
(2) 対象船舶に限定がなく、どのような共同作戦も可能であること
(3) 「逃走」や「抵抗」に対する危害射撃や、停船命令違反に対する船舶射撃を認め、先制攻撃に道を開くものであること
(4) 国会の承認を要さず、緊急の場合には内閣総理大臣の承認も得ない防衛大臣単独の判断での派兵を可能としていることなど、軍事突出が露骨なものである。

 これらは、「国権の最高機関」であり、「唯一の立法機関」である国会において、十二分に審議され、解明されねばならない問題である。にもかかわらず、政府・与党は、4月14日の衆議院本会議での代表質問からわずか1週間、4回の委員会審議のみで採決を強行した。野党第一党の民主党は、徹底した審議によって法案の問題点や危険性を明らかにすべきにもかかわらず、本質をなんら変えない「修正」を持ち出し、「修正」協議による早期収拾をはかろうとした。
いずれも、議会制民主主義を踏みにじる暴挙というほかはない。

3 ソマリア沖に派兵された2隻の護衛艦は、すでに3度にわたって不審船と対峙し威嚇行動を行っている。3度とも保護の対象としたのは日本関係船舶ではなく、海上警備行動では対処ができない船である。防衛省は、船員法第14条を根拠に上記護衛艦の行動を正当化するが、同条は異常気象による遭難船舶等の救助規定であり、紛争海域における軍用艦の救援行動を合法化するものではない。最新鋭の装備を備えた護衛艦が不審船に対して行ったサーチライト照射、ヘリコプター派遣、大規模音量発生装置での警告といった行動は、憲法違反の武力による威嚇に他ならない。

 海賊対処法が成立すれば、国籍を問わずあらゆる船舶が保護の対象となり、停戦命令に従わない船への船体射撃(目的遂行のための武器の使用)が認められることになるから、停船命令の意味を理解できない難民船に対して射撃が行われる危険性も、十分に存在する。

 さらに、4月17日、浜田靖一防衛相は、ソマリアに隣接するジブチに海上自衛隊のP3C哨戒機を派遣するばかりか、警備任務の陸上自衛隊、補給任務の航空自衛隊までも派遣する準備をも指示した。これが実現すれば、ジブチに「3軍統合根拠地」が設営されることになる。護衛艦派遣の「根拠」とされた海上警備行動(自衛隊法第82条)によって、海上自衛隊のみならず、陸上自衛隊や航空自衛隊を海外に派兵することは、憲法のみならず自衛隊法をも逸脱したものである。また、陸上自衛隊の根拠地警備や航空自衛隊の補給などを伴わなければ対抗できないのであれば、その海賊はすでに犯罪者の範疇ではなく、国に準ずる組織にほかならない。こうした海賊に対する武器の使用は、憲法違反の武力行使とならざるを得ない。

 政府による「3軍統合派兵」の既成事実化は、恒常的な海外派兵態勢を生み出そうとするソマリア沖派兵と海賊対処法案の本質を雄弁に物語っている。

4 なし崩し的に海外に軍事拠点が設営され、海外で軍隊が戦端を開かれていくことを許容する事態は、平和憲法を制定したこの国で、断じて許されてはならない。
「3軍統合派兵」にエスカレートしようとしているソマリア沖派兵は直ちに中止されねばならず、それを追認し固定化する海賊対処法案は直ちに廃案にされねばならない。
自由法曹団は、対処法案の衆議院強行採決に強く抗議し、ソマリア沖派兵の中止と対処法案廃案を強く要求する。

            2009年4月23日
                 自由法曹団
                 団長 松井繁明

背筋をのばして生きる人たち [憲法・教育基本法]

(1401577.gif動画を追加しました.根津さんの写真の下です.)
今日はうれしいニュースがあった.東京の「日の丸・君が代」強制に抵抗している教師たちの処分の発令についてである.根津さんに対する免職が非常に心配されたが,都教委はこれをやれなかった.去年3月と同じく6ヶ月の停職処分だった.レイバーネットがいち早く写真で報じた.
http://www.labornetjp.org/flashnews/2009/1238481520099flash
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6ヶ月の停職という処分もとんでもないものだが,これを喜ぶ,あるいは喜ばなければならないというのが東京の現実である.

SANY0944-023.jpg先週の金曜,27日の夜に,阿佐ヶ谷ロフトAという,一種のライブハウスのようなところで,根津公子さんを中心とするトークイベントがあった.東京出張のついでにこれに参加した.はじめに70分ほどの,根津さんたちの抵抗を描いたビデオ『あきらめない―続・君が代不起立』が上映されたが,ちょうど1年前の,今度と同様に心配された「免職」でなく「停職」だったことに喜ぶシーンで終わっていたのだ. (右の写真:ロフトAの人と週刊金曜日の人との掛け合いでオープン)

休憩時間に根津さん本人が会場に現れ,友人と話をしていたが,いっこうに終わりそうにないので割り込んで,「ブログで応援しています.福岡から来ました」と挨拶をした.

続いて,メインの根津さんと「週刊金曜日」編集部員の女性との対談という形で進行した.どうしても「闘士」というような先入観を持ってしまうが,実物はごく普通の常識的な女性という感じだ.背筋をきちんとのばして生きている,ただそれだけのことなのかも知れない.
SANY0948-055.jpg
 (前日に出た東京「君が代」裁判の不当判決にコメントする根津さん)
1401577.gif動画640x480注意!79MBあります),動画320x240(10MB)

質疑応答の中で,オーディエンスの一人が,「自分は日の丸も君が代も好きだけれども,あの状況の中では唄えない.それが残念」と発言していた.とても真っ当な姿勢だと思う.好き嫌いは人それぞれだ(これらのシンボルや歌への歴史的な「刻印」の問題はあるにせよ).しかしそれが強制されるという状況がある限り,抑圧される人の立場に立つというのが,普通に良識と共感力を持つ人の取る態度だろう.(以前の記事「『起立』する人の責任」参照)

ところが,日教組だけでなく,全教でさえその立場を取っていない.いったいどういう事情になっているのだろうか?

このような不当な処分と戦うために,組合は「救援金」という制度を持っている.組合は今こそこれを発動して,根津さんたちの不当に減額された給与を補填すべきだ.この制度はストへの処分を想定したものだが,ストなどやらないのだから有り余っているはずだ.それとも,どこかの組合のように[註],バブル時の「財テク」失敗で消滅させてしまったのだろうか?

全教にこのことについて問い合わせてみたが,「不起立」は組合で決めたことではないので,適用できないとのことだった.(記事「根津公子さんに停職一ヶ月」参照)しかし,組合で決めていないにせよ,組合の理念や方針にかなったことを勇気を持って実行したのだから,「追認」という形で柔軟に運営することも出来るはずだ.是非ともそのことを考えて欲しい.

メディア関係者の危機感のなさも気になる.ファシズムという病気は,小さなことの積み重ねで少しずつ慣らされながら,気づいたときには手遅れ,という進行のしかたをするものだ.まして,東京都で行われている,まさに現代の「踏み絵」は,決して「小さいこと」とは言えない.まさに東京という現代の大都会に存在する「北朝鮮」なのだ,ということに気づいている記者たちがどれほどいるだろうか?特に若手の記者たちの中に.

jidokisho-pic-cr.jpg
(壱花花のパンフレット「東京日の丸行進曲」から,同社の許可を得て転載)

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[註] ある大規模な公共企業体の組合のメンバーだった人から直接聞いたので,事実だと思っている.

田母神トンデモ論文と民主党のテロ特措法対案の共通点 [憲法・教育基本法]

田母神トンデモ論文では,歴史問題とは別に,「集団的自衛権」禁止にも公然と反対しているが*,実はこれは今回提出された民主党のテロ特措法対案と共通するのである.それは,派兵恒久法の必要性に言及した法案25条にある.
国際的なテロリズムの防止及び根絶のためのアフガニスタン復興支援等に関する特別措置法(案)
( 基本的な法制の整備)
第二十五条 国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に積極的かつ主導的に寄与することを含む我が国の安全保障の原則に関する基本的な法制の整備が速やかに行われるものとし、当該法制の整備において、日本国憲法の下での自衛権の発動に関する基本原則及び国際連合憲章第7章の集団安全保障措置等に係る我が国の対応措置に関する基本原則( 2005年9月16日の国際連合総会決議に規定する大量虐殺、戦争犯罪、民族浄化及び人道に対する犯罪から人々を保護する責任の原則にのっとった活動が国際連合の下で実施されることとなった場合における当該活動に対する我が国の協力の在り方に関する事項を含む。) が定められるものとする。
非常に分かりにくいが,赤字の部分に注目されたい.専門家によるとこれを,「派兵恒久法を早急に制定」と読まなければならないそうである**.

「集団安全保障」という言葉が使われているが,これは全く誤りで,国連憲章第7章が規定するのは「集団的自衛権」である.意図的かどうか分からないが,全く異なる概念に差し替えられている.「集団安全保障」とは,いわば国連というシステムそのものを言うのであって,その中心は「戦争をしてはいけないという取り決め」なのだ.これと,いくつかの国家が徒党を組んで「自衛戦争」してもいいという「集団的自衛権」とは全く異なるのである.

このように上の法案では「集団安全保障」を「集団的自衛権」と読み替えなければならないので,民主党の政策は「派兵恒久法で集団的自衛権を行使する」となるのである.

民主党の対案には,武器の使用範囲,活動条件の拡大など,他にも重大な問題がある.さらに,この法案は廃案ではなく継続審議になっているらしい.民主党単独での「政権交代」の暁には,これが実現するであろうことを覚悟しなければならない.
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* 例えば,次の毎日の記事参照
田母神・航空幕僚長:過去の戦争めぐる論文で「侵略は濡れ衣」 政府見解を逸脱、更迭
毎日新聞 2008年11月1日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081101ddm001010006000c.html
(リード部分)
 航空自衛隊トップの田母神(たもがみ)俊雄・航空幕僚長(60)=空将=が、日本の過去の戦争をめぐって「我が国が侵略国家というのは濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)だ」と主張する論文を執筆していたことが31日、分かった。侵略と植民地支配を謝罪した95年の「村山談話」などの政府見解を大きく逸脱する内容。集団的自衛権の行使を禁ずる憲法解釈などを「東京裁判のマインドコントロール」と批判もしており、政府は31日夜、田母神氏を更迭し、航空幕僚監部付とした。

** 民主党の対案の問題点については,マイナーな雑誌だが「社会評論」(スペース伽耶)08年秋号50ページの萩尾健太氏の論文に詳しく書かれている.

関連記事:幕僚長は「更迭」ですむのか + 東大生の歴史認識レベル

ディズニーランドなみの混雑ーー9条世界会議 [憲法・教育基本法]

初日は7千人の会場に入りきれない人が2千人も出て,急遽近くの公園で,メインスピーカーの二人,マイレッド・マグワイアさんとコーラ・ワイスさんの二人がそこでスピーチをしたとのことです.昨日の分科会も,何と昼前にはチケット完売で,その後来た人は入れなかったようです.

私は幸いにも両日とも入れましたが,内部は両日ともディズニーランドなみの(未だ行ったことはないですが)混雑でした.二日目の分科会でも,セッションの間の時間,ロビーは人であふれ,各部屋の入り口には座席を確保するための長い行列が出来る始末.午後最初のセッションで私が参加した「海外から見た憲法9条」は,ついに部屋に入れない人が出ました.室内は超エコノミークラス状態.この分科会の主催者は,人が集まるか心配で一番小さい部屋をリクエストしたのだそうです.むしろ逆の心配をすべきだったわけです.
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詳しくは帰宅後記事にしたいと思いますが,基調講演者のマイレッド・マグワイアさんについてひとこと書きます.彼女は北アイルランド人で,そこでの紛争解決の功績に対して1976年ノーベル平和賞を受賞しています.同時に彼女は,このブログで再三紹介している「ファスレーン365」の参加者でもあります.基調講演でファスレーン365にも触れるのではないかと密かに期待したのですが,それはなかったようです.

DSCN2336.preview.JPG彼女は2006年12月のアイルランドチームの封鎖の際「ロックオン」に加わり逮捕もされました.下から三人目がマグワイアさんです.この写真も含め,詳しい情報は次をどうぞ.
アイルランドグループのアルバム
記事

(基調講演するマグワイアさんの写真は,インターネット新聞JANJANの次の記事から拝借しました.)
http://www.news.janjan.jp/government/0805/0805066499/1.php

「9条世界会議」が近づいています [憲法・教育基本法]

K3200002t.jpg「9条世界会議」(5月4-5日,幕張メッセ)が近づいていますが,主要メディアに出てこないのが残念です.実行委員会のメディア対策チーム(あるんでしょうね?)の活動に期待したいです.個人で宣伝するのに,「地球の子ども新聞」の特集号が役立つと思います.写真は,大学図書館のロビーに貼らせてもらっている,その新聞です.
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環境教育社「地球の子ども新聞」
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1401577.gif追記:4日,5日の両日,参加します.会場でお会いしましょう.
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