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玄海町町長への手紙 [社会]

1401577.gif(この記事へのアクセスは,2013年1月21日現在,5,143になっていました.前後の記事の1桁近く上です.)
去る6月20日,玄海町町長にファクスを送っていました.遅まきながら転載します.応援のクリック歓迎
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玄海町町長
岸本英雄様
         佐賀大学大学院工学系研究科 教授
                    豊島耕一
              840-8502 佐賀市本庄町1
              電話/ファクス 0952-28-8845

時下、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
原発問題でお願いがあり、お手紙を差し上げます。

私は,2005年12月、当時の寺田町長の招きで玄海町役場にてプルサーマル問題でお話をさせていただきました。その後も、貴町の原子力発電所のことは、いつも気にかけておりました。

福島原発の大惨事を受けて、イタリアでは国民投票で「脱原発」が決まり、また国内でも、それぞれの地域の原発に対する懸念が高まっています。そのような中で町長は、報道によりますと玄海原発2、3号機の運転再開を容認の意向であると伝えられています。このことに私は大きな懸念を持っています。原発をかかえる各地の自治体が慎重姿勢を崩さないなかで、もし容認されれば、全国で最初の運転開始となるからです。

福島の事態で明らかになったように、もし原発で重大事故が起こればその被害は地元自治体にとどまらず、極めて広範囲に及びます。もし玄海原発でチェルノブイリ級の事故が起これば、高濃度汚染による強制退去地域は、近隣では佐賀市や鳥栖市にまで及び、それだけでなく、風向きや降雨などの気象条件によっては放射能は遠くまで運ばれます。チェルノブイリの例では、200キロも離れたところに高濃度汚染が発生し、強制退去地域となっています。これは玄海から鹿児島の距離です。(添付の地図をご覧下さい。)

福島原発の事故は津波が原因とされていますが、発端となった1号機の空焚きは、津波が来る前に地震によって原子炉の配管が破断し、冷却水が洩れたためです。ですから、もし運転再開をされるとすれば、津波対策だけでなく、これまでの想定を超える大きな地震に原発が耐えられるかどうかの検証が必要です。複雑な配管や機器からなる原発の耐震性を、わずか3ヶ月程度で検証したり、ましてや強化させたりできるものでしょうか?保安院の言う「安全」があてにならないことは福島事故で証明されています。

玄海町の財政においては、電源交付金の比重が大きいことが報道されています。町長は、原発の停止で町の財政が困難になることをを心配されているのかも知れません。また、地域の雇用への大きな影響もご心配かも知れません。しかし、かりに原発を廃止したとしても核燃料は残りますし、その危険性も福島の燃料プールの水素爆発で明らかになりました。つまり、そのようないわば迷惑施設がある限り、貴町は国や電力会社に対して、何らかの金銭的補償を求めることが出来るはずです。

また雇用に関しても、廃炉と解体には長い年月がかかり、その期間は相当数の雇用が残り、また発生します。廃炉・解体に伴う雇用に関しては、イギリス・セラフィールド原発の例があります。この施設は数年前から廃炉と除染の作業に入っていますが、これに要する期間は50年と見込まれ、雇用も2018年時点で4,000人が見込まれています(稼働時は10,500人)。もし原発を廃止したとしても、廃炉・解体が行われている期間に、農・漁業の振興はもちろん、新しい産業を興すなど雇用創出を図っていくことが可能でしょうし、またそうすべきではないでしょうか。

今も続く福島の放射能災害の悲惨さを見るにつけ、このような事態を私たちの地元で決して繰り返してはなりません。この点については町長も同じ思いでいらっしゃると拝察します。ひとたび玄海原発で重大事故が起きれば、仮に避難がスムースに行われ人的被害がなかったとしても、周りの土地と海は死の風景に変わってしまいます。「原発破れて山河なし」です。

祖先から受け継がれた美しい東松浦半島の海と陸を決して穢すことなく子どもたちに受け継いでいくこと、これは町長はじめ玄海町の皆様の、そして私たちの最低限の義務ではないでしょうか。原発がある限り、重大事故のリスクをゼロにすることはできません。

どうか、停止中の原発の再稼働に同意されないようにしてください。仮に同意されるとしても、決して町役場だけで決めないで下さい。特に近隣の皆さんに取っては、直接に命がかかった問題です。少なくとも、国と九電とによる住民への説明会の開催と、住民の皆さんの直接の同意が前提ではないでしょうか。

以上、どうかよろしくお願い申し上げます。

2011年6月20日
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コメント 3

latter_autumn

>福島原発の事故は津波が原因と
>されていますが、発端となった
>1号機の空焚きは、津波が来る前
>に地震によって原子炉の配管が
>破断し、冷却水が洩れたためです。

それは反対派の憶測というか妄想でしょ。事実無根。

反対派が負けるのは、えてして理論武装がお粗末で主張内容が不正確だからです。

by latter_autumn (2011-06-30 17:18) 

永ちゃん

latter_autumnさん

反対派の憶測や妄想なのかどうかを判断するのは,
世界5月号の田中三彦氏の論文
「福島第一原発はけっして『想定外』ではない」
を読んでからにして下さい.
リアルな事故の分析があります.

それにしても,もう少し詳細なデータを提出しない
東電や保安院はどうなっているのでしょうね...

by 永ちゃん (2011-07-01 11:28) 

タコ

latter_autumnさん


>反対派が負けるのは、えてして理論武装がお粗末で主張内容が不正確>だからです。

要は、簡単なリスクマネージメントの話です。

たかが電気を作るのに、事故が起これば狭い日本国土を広範囲に汚染して人々の命や財産、生活を破壊してしまう施設を造る、または稼動させるのは愚かな事だというのは、誰でも解る話ですよ。

原発の電気は実際は高いことが分かっています。

当面は火力発電で大丈夫でしょう。

いわゆる原発推進派といわれている人たちは、金が欲しいだけで、近隣の県の住民の生活や健康などを犠牲にしようとしている・・・





by タコ (2011-07-04 20:01) 

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