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県警は誰が支配するのか? [社会]

1401577.gif2019年1月追記:警察庁の「所掌事務」を末尾に転載.
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11日の記事で,抵抗する市民を排除し,不法な基地建設を助ける沖縄県警に対し,県公安委員会は「管理」権を,知事は同委員会への「管轄」権を適切に行使すべきだ,と主張しました.

しかし,一方で,県警は警察庁長官に「指揮監督」されます(警察法16条2).では,これらの二つ,管理と指揮監督はどういう関係なのか,少し調べて見ました.
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「管理」について
先の記事に書いたように,この語が何を意味するかは同法で定義されていません.いろいろ探すと,国家公安委員会のページ( 1401577.gif2018年リンク更新)に次のような説明がありました.
一般に、行政機関相互の関係を表す場合における「管理」の用語は、「監督」又は「所轄」と対比して、下位の行政機関に対する上位の行政機関の指揮監督が、内部部局に対する場合と大差ない位に立ち入って行われることを示すときに用いられる。
この中に「指揮監督」という言葉を使っているのでますます混乱しますが,要するに,内部部局に対すると同様立ち入って支配すること,と言っているので,強い支配のようです.

しかしそのあとで,警察庁という専門集団があるし,公安委員はしろうとだから,口出しは「大綱方針」についてだけにしなさい,というようなことも書かれています.官僚支配をしたいためにこのような付け足しをしたのでしょうが(実態そうなっている),原理的にどちらの権限が強いかと言えば,県の公安委員会>>警察庁,ということでしょう.

なお,この説明は国家公安委員会と警察庁の関係についてですが,このページの末尾に「地方公安委員会と地方警察本部等との間においても,妥当する」とありますので,県レベルでも同様です.

「指揮監督」について
他方,警察庁の県警への「指揮監督」ですが,これは.警察法16条2項(2019.1リンク修正)で「警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督する」とあるように,その範囲は「警察庁の所掌事務」に限定されています.所掌事務の内容は17条で5条2項にリダイレクトさせることで国家公安委員会の所掌事務と重なることを示しています(赤字部分2019年1月修正.このすぐ下も.).(「所掌事務」26項目を末尾に転載

その5条2項と読んで行くと,「指揮監督」の範囲が分かりますが,一番最後(26号)の,言わば「その他」ぐらいしか見当たらないようです.

さて,警察官個人としては,不当な命令に対しては「不服従」の義務がありますが(13日の記事後半参照),そうすると当然上司と衝突し,処分の危険があります.処分権は地方公務員法が規定する「任命権者」にあるのですが,同法を探しても,下位の警官の任命権者がだれなのか,なかなか分かりません.トップの県警本部長は多分知事ではないでしょうか.(→記事「警察官の処分権」参照)
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1401577.gif2015.10.30追記:上記の国家公安委員会のページの,「2『管理』の形態」には次のように書いてあります.
しかし、警察事務の執行が法令に違反し、あるいは国家公安委員会の定める大綱方針に則していない疑いが生じた場合には、その是正又は再発防止のため、具体的事態に応じ、個別的又は具体的に採るべき措置を指示することも、「管理」の本来の意味が上記のものである限り、なんら否定されないものというべきである。
まさに,現在の沖縄・シュワブゲートの状況は,「具体的事態に応じ、個別的又は具体的に採るべき措置を指示すること」が必要な段階にあります.これで動かない沖縄県公安委員会は,警察法39条と41条にしたがって,知事は更迭すべきではないでしょうか.
県警をめぐる支配・被支配と人事権の関係図
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1401577.gif2018年12月4日現在までのこの記事へのアクセスは3,496です.閲覧ありがとうございます.1401577.gif2019年1月16日までのこの記事へのアクセスは3,782.
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以下に警察法5条4項の「所掌事務」26項目を転載します.上で述べたように,冒頭の「国家公安委員会は」は「警察庁は」と読み替えられます.

4 国家公安委員会は、第一項の任務を達成するため、次に掲げる事務について、警察庁を管理する。
一 警察に関する制度の企画及び立案に関すること。
二 警察に関する国の予算に関すること。
三 警察に関する国の政策の評価に関すること。
四 次に掲げる事案で国の公安に係るものについての警察運営に関すること。
イ 民心に不安を生ずべき大規模な災害に係る事案
ロ 地方の静穏を害するおそれのある騒乱に係る事案
ハ 国際関係に重大な影響を与え、その他国の重大な利益を著しく害するおそれのある航空機の強取、人質による強要、爆発物の所持その他これらに準ずる犯罪に係る事案
五 第七十一条の緊急事態に対処するための計画及びその実施に関すること。
六 次のいずれかに該当する広域組織犯罪その他の事案(以下「広域組織犯罪等」という。)に対処するための警察の態勢に関すること。
イ 全国の広範な区域において個人の生命、身体及び財産並びに公共の安全と秩序を害し、又は害するおそれのある事案
ロ 国外において日本国民の生命、身体及び財産並びに日本国の重大な利益を害し、又は害するおそれのある事案
七 全国的な幹線道路における交通の規制に関すること。
八 犯罪による収益に関する情報の集約、整理及び分析並びに関係機関に対する提供に関すること。
九 国際刑事警察機構、外国の警察行政機関その他国際的な警察に関する関係機関との連絡に関すること。
十 国際捜査共助に関すること。
十一 国際緊急援助活動に関すること。
十二 所掌事務に係る国際協力に関すること。
十三 犯罪被害者等基本計画(犯罪被害者等基本法(平成十六年法律第百六十一号)第八条第一項に規定する犯罪被害者等基本計画をいう。第二十一条第二十号において同じ。)の作成及び推進に関すること。
十四 債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)の規定に基づく意見の陳述その他の活動に関すること。
十五 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(平成十一年法律第百四十七号)の規定に基づく意見の陳述その他の活動に関すること。
十六 皇宮警察に関すること。
十七 警察教養施設の維持管理その他警察教養に関すること。
十八 警察通信施設の維持管理その他警察通信に関すること。
十九 犯罪の取締りのための電子情報処理組織及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の解析その他情報技術の解析に関すること。
二十 犯罪鑑識施設の維持管理その他犯罪鑑識に関すること。
二十一 犯罪統計に関すること。
二十二 警察装備に関すること。
二十三 警察職員の任用、勤務及び活動の基準に関すること。
二十四 前号に掲げるもののほか、警察行政に関する調整に関すること。
二十五 前各号に掲げる事務を遂行するために必要な監察に関すること。
二十六 前各号に掲げるもののほか、他の法律(これに基づく命令を含む。)の規定に基づき警察庁の権限に属させられた事務
(以上)
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コメント 3

L

 はじめまして。県警の偉い人だけは国家公務員なので、任命権者は知事ではないかもしれません。ただ、懲戒処分は建公安委員会で出来ると思います。
 私も、同じ意見で知事が本気なら県警に間接的に影響を与えて、海保や警備会社から県民の抗議行動を守るべきです。政府自民党はこれだけ嫌がらせを繰り返しているのですから、県民もすこぶる納得でしょう。島ぐるみ闘争も行政権力ぐるみにフェイズを上げるべきだと思います。
 とりあえず、公安委員を山城さんや高良鉄美さんあたりにすげ替えてグリグリと県警を通じて警察庁・政府に圧力をかけたらいいと思います。沖縄の大学やメディア・運動圏には人格識見が極めて優れた方が多いから、誰にお願いするか迷うほどですね。
by L (2015-01-17 00:42) 

yamamoto

このような主張を始めて1年近くなりますが,何の動きもありません.やはり法律家が発言しないとまともに受け取ってもらえないということだと思います.
by yamamoto (2015-12-05 23:45) 

yamamoto

この記事からもう3年以上経ちます.法律家のコメントが欲しいです.
by yamamoto (2019-01-21 11:46) 

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