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分析も洞察も欠く毎日「記者の目」,敵地攻撃能力の議論を推奨 [反核・平和]

mainichi190206kishanome秋山信一h.jpg「中国に攻められたらどうするのか」という,極めて「分かりやすい」俗論だけをベースにした議論が,2月6日の毎日に掲載された.内容はお粗末だが,俗耳に入りやすいだけに,繰り返しでも反論しておく必要がある.

記者の目
攻撃的装備導入する新防衛大綱
 敵基地報復認めるか議論を=秋山信一(政治部)


いくつか文章を引用する:

軍事技術の進展で、迎撃にも攻撃的な装備が必要になり・・・むしろ論点は、敵基地攻撃にその「能力」を使う運用を目指すか否かだ。能力保有は政府が憲法上も認められると判断しており・・・

私は2017年3月まで4年余、カイロ特派員として中東情勢を追い、国際政治で軍事力の持つ意味を痛感させられた。

中国の力が米国に迫っていく流れを踏まえれば、抑止力を強化するために自衛隊が「矛」を分担したり、『針』を持ったりすることも一案だと私は思う。

そして最後に,敵基地攻撃能力の保有が「法理的に可能」とした政府解釈を引用して,「議論を動か」せ,と結んでいる.

『急迫不正の侵害があり、他に手段がない場合の必要最小限度の措置』という制約付きで『座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨だとは考えられない』とした。装備体系がそろってきた今、60年以上止まっていた議論を動かす時が来ている。

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「攻撃的な装備」の「能力保有は政府が憲法上も認められる」というが,9条をどう読んだら敵基地攻撃能力保有が合憲なのか??

9条2項「・・・陸海空軍その他の戦力は、これを 保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

まさか「政府の判断」は憲法を超えるとは言わないだろう.

最後の結論部分では1956年の政府見解をおうむ返しにして,それに事実上同意している.

分析も洞察もほぼ皆無である.ようするに,「中国が攻めてきたら反撃すべし.その用意を」という,極めて単純な論理だけだ.軍備に軍備ではダメだ,キリがない,という反省から戦争の違法化と非武装に行き着いたのだ.

「外国に攻められたとき,どうしたら国民を守れるのか」というのは分かりやすすぎて誰でも乗せられやすい.しかし同じ問いを,大規模自然災害や原発の大事故に対して発せられることはまずない.もちろん「自国の軍隊が外国を攻めて(侵略して)しまったら相手国の人をどう守るのか」という問い[註]はさらに発せられることがない.

大規模自然災害や原発の大事故は,それから国民を十分に守る方法など存在しない.「外国の侵略」も同じだ.軍事力で十分に抑止するためには,潜在敵国を圧倒するほどの軍備が必要だ.「相手が嫌がる『針』のような能力の保有」が一体どれほどの効果があるというのか?「針」で一矢報いた後は,やはり,状況次第では「座して自滅を待つ」ことになるだろう.その場合は,「一矢」報いられた敵はより激昂して,より苛烈な攻撃を加えることになるかも知れない.

14年前にこの種の問題は詳しく論じているので,参照いただければ有難い.(または左の検索窓に「攻められたら」を入れる.)

「攻められたらどうするのか」--Sentinelさんへのお答え
https://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2005-10-06

非武装だと「中国に民族浄化される」のか?
https://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2005-10-16

また,[註]に関しては,記事「『攻められる』ことと『攻める』こととの等確率性」を参照ください.
https://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2007-02-24
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