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日本語の歌詞で歌われたシューベルト歌曲(その2) [趣味]

先日の記事でシューベルトの歌曲を現代日本語の歌詞で歌ったCDを紹介しましたが,その末尾で,母語の歌詞で聴くのが「正しい」鑑賞の仕方ではないかと書きました.
ところが,同じような考えの人がだいぶ前から活動しているのを知りました.「国際フランツ・シューベルト協会」というサイトがあります.
http://schubertiade.jp
その「活動の柱」の3番目の項目に「『シューベルトの歌曲集』の日本語版を作成、日本語で歌うことによってリードを普及させる」とあり,「邦詩で歌える」訳詞を公開しています.
http://schubertiade.jp/schubertmusik.htm

そこで,前の記事で紹介した「白鳥の歌」の第7曲“Abschied”(別れ)の訳詞を見てみると,松本訳の「じゃあね」はやはり「さらば」になっていましたが,3番の冒頭「優しい少女よ」(松本訳,原文はihr freundlichen Mägdlein dort)はなんと「やさしいギャルたちよ」.ここで「ギャル」は全くいただけません.

ところで,ドイツ語の歌詞を日本語に訳する場合,盛り込める情報量に決定的なハンディがあります.ドイツ語では子音で始まり子音で終わる単語が多いし,しかもどちらにもしばしば複数の子音が重なります.このため1音節で1単語を表現できるケースが多い.ところが日本語では1音節は1つの子音+1つの母音で1文字のため,1単語でも2音節以上を要する場合が多い.つまり歌では2つ以上の音符を消費してしまいます.上の,“ihr freundlichen Mägdlein dort”では7音節(音符8個),訳ではいずれも8〜9音節と多いが全部訳し切れてない.つまり日本語で歌うためには,訳詞というよりは「作詞し直す」というほどの作業が必要のようです.

それにしても,「正しく」鑑賞するためには日本語の訳詞が是非必要と思うので,松本隆氏のような人が次々と現れて欲しいと思います.シューベルト,シューマンなどの歌曲は200年近いロングヒットを続けていますが,ファンの層という点では,今日,少なくともたまにでも聴くという人は日本で1,000人に1人もいるでしょうか.人の好みは様々とは言え,これらの作品群は人類的な宝だと思うので,ファンがもっと,少なくとも人口の1パーセント程度までは増えるように,クラシック音楽業界の方々には営業努力をお願いしたいものです.

ところでこの“Abschied”は,ある若い男がそれまで住んでいた街を去る時の情景を歌ったものですが,子馬(Rößlein)が出てくるのでその乗り物は多分馬車でしょう.あるいは一人で騎乗しているのかもしれませんが,ピアノの伴奏は私には馬車の乗り心地(乗ったことはないですが)を思わせます.繰り返される不意の強拍(楽譜の赤のマーク)は,道路の凸凹で車体がガクンと揺れるのを表しているのではないでしょうか.(この曲の48小節からをフリー楽譜サイトから転載)
swing1h.jpg
楽譜の部分の少し前から(バリトン:クリスチャン・ゲルハーヘル,ピアノ:ゲロルド・フーバー)

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日本語の歌詞で歌われたシューベルト歌曲 [趣味]

1401577.gif10/6: 訳詞者コメントブロガーコメントを追記
1401577.gif11/10: 「その2」はこちら
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matumototakashi-t.jpgシューベルトやシューマンの素晴らしいロマン派の歌曲が日本語の歌詞で歌われることは殆どない.歌曲集「白鳥の歌」の“セレナーデ”や同じく「冬の旅」の“菩提樹”ぐらいだろう.しかし歌曲というのは歌詞の意味とメロディーの両方で心に訴えるものだから,ドイツ語で歌われた音源では広くファンを獲得することは出来ない.こんな素晴らしい作品群のファンが,いわゆる「クラシック愛好家」に限られているのは,本当にもったいないことだと長年思っていた.自分自身で「歌える訳詞」を作ろうかと思ったほどだ.

ところが,先日NHK-FMの「きらクラ!」(9月9日か翌日の再放送)を聴いていたら,なんと歌曲集「白鳥の歌」の “ドッペルゲンガー”の日本語バージョンをやっていた.訳詞の松本隆氏もゲストとして出演していた.松本氏は数々のヒット歌謡曲の作詞者ということだ.

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音楽の「トランスジェンダー」性 [趣味]

kiyokotachikawa.jpg先日,佐賀であったミニコンサート*に行った.メインはシューマンの「女の愛と生涯」,佐賀出身でオランダ在住のソプラノ歌手と,地元のピアニストの共演.両者とも素晴らしかった.他は,オープニングのシューマンの2曲と,後半では有名なオペラアリアを2曲.

メインの「女の愛と生涯」(Frauenliebe und Leben)は「歌曲の年」1840年の作品.シューマンの大ファンでありながらこの曲はこれまで聴いたことがなかった.女性の愛の歌に共感できるとも思えなかったし,調べてみると詩も男性が作っている.そんなものは「でっちあげ」ではないかとますます思えたが,しかしさすがはシューマンで,音楽に完全に「説得」される.

詩の内容自体は,歌手自身が,歌う前に「古臭いものと思われるでしょうが」と言ったとおり,今の時代からはもちろん,近代的精神からもずれている.例えば,第4曲(わたしの指にはめられた指輪よ)の一節はこんな具合:

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台風一過,山を越えて来る雲 [趣味]

雲のスピードとボリュームがすごく,とても壮大な印象でした.台風一過の朝の風景.山は耳納連山,雲に隠れて,発心山や鷹取山があります.コマ落としではありません.実時間です.(音声なし)

(このブログとツイッターのバナーにしている山です.)
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ポリーニのピアノコンサート [趣味]

DSC_0187hc.jpg今月10日には,フィルハーモニー・ド・パリというパリの新しいコンサートホールにポリーニのピアノ演奏を聴きに行きました.旅行の主な目的の一つでした.ホールは中心部から外れて,パリ旧市街を囲む環状道路のすぐ内側,地下鉄はPorte de Pantinからすぐ.

演奏者を見下ろすような座席で,顔の表情も見えるとてもいい位置でした.
曲目はシューマンのアラベスクとクライスレリアーナ,ショパンの二つのノクターン作品55とソナタ第3番ニ短調作品58.

紛れもなく大巨匠なのに,とても謙虚で優しい人柄があふれるようなものごしと演奏でした.なんとアンコールを2曲も(3曲だったかも?),それも結構長い曲をサービスしてくれました.ショパンでしたが曲名が見つかりません.
そして,終了後はなんとロビーでサイン会まで.私もちょっと並んでみましたが,あまり遅くなると帰路が不安になるので,あきらめました.
このコンサートのウェブサイト:
https://philharmoniedeparis.fr/fr/activite/recital-piano/17778-maurizio-pollini
DSC_0190h.jpg
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ハイデルベルグ市のホールでの「魔笛」 [趣味]

DSC_0240hc.jpg10月13日の金曜日はドイツ・ハイデルベルグに移動した.そこのホテルで見た案内パンフに,その夜にモーツァルト「魔笛」が上演されることが判明.すぐに部屋でネットにつなぎチケットを探したが,満席.ホールは歩いてすぐなので直接行ってみると,数席空いていて座席をゲットできた.
これはパリ・オペラ座のものとは違って,全くオーソドックスな演出.十分楽しめた.字幕がドイツ語だったので,舞台に集中できたのも良かったのかもしれない.
右の写真のように,休憩時には客席横がラウンジに幅広く開放・直結する構造で,非常に良く出来ていると思った.応援のクリック歓迎
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オペラ演出の革命? [趣味]

DSC_0210h.jpg休題閑話(閑話休題の逆).
選挙の期間とかなり重なって,欧州旅行に行っていました.このような時期に「国外逃亡」は本意ではありませんでしたが,費用を抑えるため何ヶ月も前に航空券を買っていたので,棒に振るわけには行きません.それで,有名ピアニストのコンサートや有名劇場でのオペラ鑑賞という贅沢三昧の時間を過ごしました.

まずオペラですが,パリのオペラ座(パレ・ガルニエ)ではモーツァルトの「コシ・ファン・トゥッテ」を鑑賞.音楽は素晴らしかったのですが,演出が全く異常,異常というより,演出なし(ミニマリズム?)に等しいのです.写真のように舞台はがらんどうで,大道具も小道具もなし.言ってみればオーケストラをバックに歌手が並んでアリアを歌う「演奏会形式」に近いもの.ただ,歌手それぞれに「影」のようにダンサーが一人付いて,歌と同時に踊る,これが唯一演出らしいもの.

そのため物語の進行は,この曲を熟知しているならともかく,そうでなければ舞台上部に投影される英語の字幕を必死で追わなければならない,という状態.それも英語とフランス語(?)なので,スピードが追いつかないし,実に目が疲れてしまう.また,一人(デスピーナ)を除いて,本物と「影」との区別が難しいのでますますわけが分からなくなる.

それでも聴衆からブーイングなどはなくふつうに拍手が起きていたので,このような演出であることをあらかじめ承知の上で劇場に足を運んだということなのだろうか?それにしても腑に落ちない.

img754.gif劇場入り口で,パフォーマンス関係の情報誌la terraceを無料で配っていた.あとでページをめくってみると,「オペラの演出,合意より革命」(多分そんな意味か? La mis en scène d’opera: une révolution plus qu'un consensus)というタイトルの特集があり,演出家が権力を握り,歌手や指揮者との闘争が激しくなっている,というようなことが書いてあった.

有名なシャガールの天井画はとても素晴らしかった.応援のクリック歓迎 DSC_0209r.jpg
ほかのコンサートや旅のことについては,また.
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スーパー3D写真,富士山と福岡市街 [趣味]

FB友達のMさんが飛行機からの動画を公開していたので,それを使って「スーパー3D写真」を作ってみたくなりました.応援のクリック歓迎
https://www.youtube.com/watch?v=JqOwGgI4m0U&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=pJ1RgM0u6kM
富士山,16秒間隔
30-46.jpg
同,約2秒間隔
41-43.jpg
乗る前に窓をきれいに拭いておくように言わないといけませんね.

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二連クモの巣 [趣味]

新しい写真"pearl net"を2枚追加しました.1401577.gif
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大きなクモの巣の端っこのアンカー部分に(というのかどうか知りませんが),小さな子どものクモが極細の糸で巣を張っていました.両者が実の親子かどうか不明です.順光と逆光で撮影.標準系ズームとマクロレンズ使用.(フェイスブック掲載と同じものです.)クリックで拡大します.
応援のクリック歓迎
DSC_9310aW253.jpgDSC_9312aW277.jpg DSC_9299aW277.jpg

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夏の欧州旅行メモ - その3 [趣味]

「『サモトラケのニケ』の超3D写真」「アヴィニョン」の2つのタイトルで,夏の欧州旅行のことを書きましたが,その3回目,ランダムなメモです.
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ユーロスターとユーレイルパス
 (写真はロイヤルオペラハウスのトロバトーレについてのガーディアンの評から.記事は末尾に追記)
5344.jpgユーレイルパスはヨーロッパを鉄道で周遊するにはとても便利で安い方法です.普通列車だけでなくたいていの急行も予約なしで,もちろん切符をいちいち買わないで即,乗れます.予約(+追加料金)が必要なのはTGVや都市間特急ICEなど.ただし,ロンドンと大陸(パリ,ブリュッセル)を結ぶとても便利なユーロスターは要注意.これらの国をカバーするパスを持っていても,かなり前に(多分1週間ほど前)予約しないとパスが使えません.しかもパス使用前提ではネット予約もできないのは致命的で,これでは事実上パスは使えないに等しい.

それと知らず旅行の日程の終わり頃,パリからロンドンに日帰りしようと思ってパリ北駅に行き,切符売り場の窓口でユーレイルパスを見せましたが,結局フル運賃を支払うはめになってしまいました.
大陸とイギリスを行き来するユーロスターは国境を越える飛行機と同じで,30分以上前に保安ゲートを通り,パスポートチェックを受けなければなりません.イギリスEU離脱が騒がれましたが,国境管理ではもともと離脱同然ということのようです.

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